9月の輸出入は前月比減も、29カ月連続で貿易黒字を維持

(インドネシア)

ジャカルタ発

2022年11月01日

インドネシア中央統計庁(BPS)が10月17日に発表した輸出入データによると、9月の輸出額は前月比10.99%減の248億130万ドル、輸入額は同10.58%減の198億810万ドルと、ともに前月から減少した。貿易収支は前月比で12.58%減少したものの、49億9,320万ドルの貿易黒字となった。また、1~9月の貿易収支は398億6,650万ドルの黒字で、2021年通年の貿易黒字額354億1,950万ドルを超えた。

輸出の内訳をみると、石油・ガスと非石油・ガスが前月比でそれぞれ21.41%減、10.31%減だった(添付資料表参照)。輸出全体の9割超を占める非石油・ガスの割合をみると、鉱物性燃料が前月比1.63%減の50億6,100万ドル、動植物性油脂が31.91%減の30億4,110万ドル、鉄鋼が5.87%減の21億3,170万ドルと続いた。

輸入でも、石油・ガスと非石油・ガスが前月比7.44%、11.21%いずれも減少した。非石油・ガスの内訳をみると、機械類・輸送用機器が前月比6.65%減の27億7,990万ドル、電気機器が11.45%減の22億6,670万ドル、鉄鋼が25.57%減の9億9,610万ドルとなっている。

非石油・ガスの相手国別の輸出額は、中国が61億5,660万ドル(前月比0.1%減)、米国21億1,410万ドル(同18.3%減)、日本20億9,940万ドル(同2.5%減)だった。相手国別の輸入額では、中国が前月比13.4%減の56億9,090万ドルで首位だった。日本からの輸入は13.8%減の12億9,910万ドルで、中国に次ぐ輸入国となった。

1~9月の貿易収支は、中国との貿易赤字が50億4,750万ドルに達し、前年同期比で赤字幅は拡大した。一方、米国との貿易収支は主要国間では最も大きい14億9,980万ドルの黒字だった。

インドネシア経済法律研究センター(CELIOS)のビマ・ユディスティラ所長は「(新型コロナウイルス対策の)ゼロコロナ政策の実施によって中国経済が減速している。中国はインドネシアの主要貿易相手国で、インドネシアの輸出入に大きく寄与しているため、欧米の景気後退の兆候や、ロシアによるウクライナ侵攻よりも影響が大きい」との見方を示している((「CNBCインドネシア」10月18日))。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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