スナク英首相、エジプトでのCOP27に出席を表明

(英国、エジプト)

ロンドン発

2022年11月04日

英国のリシ・スナク首相は11月2日、エジプトのシャルム・エル・シェイクで同月6日に開幕する国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)への出席を表明(11月2日付ツイート)。長期的な繁栄には気候変動対応、エネルギー安全保障の達成には再生可能エネルギーへの投資がそれぞれ不可欠として、2021年に英国で開かれたCOP26の成果を実行に移すとした。

スナク首相はこれまで、11月17日に発表が予定されている財政計画(2022年10月27日記事参照)など国内へのコミットメントに集中するとして、エジプトでの会議には出席しないとの方針が報じられていた。しかし、この方針に対して、環境団体や野党、さらに与党・保守党内の議員からも批判を受けていた。また、COP26議長のアロック・シャルマ氏も首相の不参加については非常に残念とコメントし、COP27への参加が英国の気候変動に対する新たなコミットメントを世界に打ち出すことになると考えていると述べた(「タイムズ」10月29日)。こうした状況を受け、官邸は、財政計画の準備の十分な進展を条件として、スナク首相の参加の可能性に言及していた。

なお、気候変動対応に熱心な国王チャールズ3世については、官邸が欠席を確認したと報じられている。一方で、国王はCOP27に先立ち、バッキンガム宮殿で企業や慈善団体を招いたレセプションを開催すると報じられている。

更新版のNDCを提出

英国が議長国を務めたCOP26で採択された成果文書「グラスゴー気候合意」では、2022年に2030年までの排出目標(国が決定する貢献:NDC)を再検討することに合意した(2021年11月16日記事参照)。これを受け、英国は9月23日に更新版のNDCを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。主な内容としては、最初のNDC提出以降の政策や計画の反映に加えて、パリ協定の気温目標に沿うかたちで英国の温室効果ガス排出目標を明確化したほか、対象範囲を英国王室属領や英国海外領土まで拡大したことなどが挙げられる。

(山田恭之)

(英国、エジプト)

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