ニューデリー、アーメダバード両駅の再開発計画で入札前説明会

(インド)

アーメダバード発

2022年11月24日

インド鉄道土地開発局(RLDA、注1)は、ニューデリー駅、アーメダバード駅の再開発計画に関し、入札に先立つ第1回説明会を開催した(2022年11月24日記事参照)。同計画はインド政府が9月に承認したもので、EPC(設計・調達・建設)モデルで再開発される。

複数の現地報道によると、今回の入札前説明会には、ラーセン&トゥブロ建設(L&T construction)、エヌ・シー・シー(NCC Limited)、タタ・プロジェクツ(Tata Projects Limited)、シャプールジ・アンド・パロンジ建設(Shapoorji & Pallonji Constructions)、アダニ・リアリティー(Adani Reality)、ジー・エム・アール・グループ(GMR Group)など、インドの著名な建設会社が多数出席した。入札手続きは「シングルステージ2封筒法」(注2)によって実施し、2プロジェクトともに応札締め切りは2023年1月24日を予定しているという(「タイムス・オブ・インディア」紙11月11日)。

政府のプレスリリース(9月28日付)によると、「新駅の設計デザインに求められる基本要素」は、(1)新駅は天蓋(てんがい)で覆われた広いスペースにカフェテリアや小売店、レクリエーション施設などの入居、(2)空港のような出発エリアと到着エリアが分離された整然とした屋内プラットフォームの整備、(3)フードコート、待合ラウンジ、子どもの遊び場、地元産品販売スペースの配置、(4)バス、メトロなど他の交通手段と機能的に統合され、線路両側の都市は駅ビルを通じて相互に接続可能、(5)駅ビルは太陽光発電、節水・リサイクル、固形廃棄物管理を行うグリーンビルディングとして開発し、閉回路テレビ(CCTV)、十分な駐車場、エレベーターの完備などと明記しており、これらの要件を再開発計画に盛り込むことになる。

鉄道駅の再開発プロジェクトは、モディ政権が熱心に取り組む政策の1つで、インド全体で現在199駅の再開発事業が進行中とされる。政府は9月に、総額1,000億ルピー(約1,700億円、1ルピー=約1.7円)を投じる予定で、新たに(1)ニューデリー、(2)チャトラパティ・シバジ・マハラジ・ターミナル(CSMT:ムンバイ)、(3)アーメダバードの3つの主要駅の再開発計画を承認した。RDLAは責任機関として入札案件を管理し、これら主要駅を世界クラスの設備に再生させることで、観光産業を振興し、社会経済の変容を促進する責務を負っている。

(注1)鉄道土地開発局(Rail Land Development Authority、RLDA)は、1989年の鉄道法改正により設立された鉄道省管轄の法定機関で、鉄道所有の空いた土地を活用し、商業利用を目的とした収益事業を運営している。

(注2)入札者は、技術提案書と価格提案書の2通を同時に1つの封筒に封印して提出。技術提案書のみが入札説明書に記載された日時に開封される。価格提案書は封印のまま保管される。技術提案書は購入者が評価する。技術提案の修正・変更は認められない。発注者は価格を考慮することなく、技術提案を評価する。発注者が技術評価を承認した後、技術提案に基づいて適格入札者が決まる。次に、発注者が提示した日時に、価格提案書が公開されて評価が行われ、最も低い評価額の入札と判断された入札者に発注する。

(古川毅彦)

(インド)

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