訪日リベンジ旅行、値上げでも1カ月で完売

(ルーマニア、日本)

ブカレスト発

2022年11月28日

日本の新型コロナウイルス感染症に関する水際対策が緩和されたことにより、ルーマニアでは、しばらく旅行できなかった分、次の旅行で奮発する「リベンジ旅行」の矛先が日本に向き始めた。

1110日から13日まで、首都ブカレストの展示会場で旅行博が開催され、在ルーマニア日本大使館と日本政府観光局(JNTO)が連携して、日本パビリオンを出展した。日本観光の広報ほか、地元旅行代理店3社が、来場者と日本観光旅行商品の商談に応じた。JNTOフランクフルト事務所の居石彰(すえいし・あきら)次長は、ジェトロに対し「新型コロナウイルスによるパンデミック前から日本は人気の旅行先だが、水際対策緩和を機にルーマニア人のリベンジ旅行がついに日本にも押し寄せる実感をつかんだ」と話した。

ジェトロが旅行代理店にヒアリングしたところ、若い世代は個人旅行を好むが、日本向けについては30代後半以降では団体旅行を好む傾向があるとのこと。どの日本行き商品も売れ行きは好調のようだ。例えば春の開花時期に合わせた、東京・京都・大阪・奈良・金沢・広島・厳島・飛騨高山・白川郷・富士山を、JRパスで周遊する添乗員付き1012日のツアー料金は、パンデミック前は2,8002,900ユーロだったのに対して、今回売り出しの2023年春の同様のツアーは、航空券値上げの影響で3,100ユーロ前後に値上がりした。しかし値上げにもかかわらず、パンデミック前は日程別5本、定員各25人のツアーが売り切れるのに34カ月かかっていたものが、今回は1カ月足らずで完売したという。同様の価格帯で人気の旅行先はアイスランド一周、北欧、北米などだが、こと日本は誰もが一度は行ってみたいエキゾチックな旅行先として人気が高いという。「伝統文化に限らず、貸し切りバスではなく公共交通機関で移動し、日本のインフラやライフスタイルも併せて体験するツアーが人気のようだ」と居石氏は述べた。

写真 商談でにぎわう旅行博の日本ブース(ジェトロ撮影)

商談でにぎわう旅行博の日本ブース(ジェトロ撮影)

(西澤成世)

(ルーマニア、日本)

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