リンゴ輸出先1位の台湾で「弘前市文化物産フェア」開幕

(台湾)

中国北アジア課

2022年11月28日

青森県弘前市が主催する「弘前市文化物産フェア」(20221116日~2023115日)の開幕式が111618日に、台湾の大手百貨店である遠東百貨で開催された。同フェアは2011年度から開催され、今回は、櫻田宏・弘前市長が4年ぶりに来台して自らトップセールスを行い、弘前のリンゴのおいしさや300年の伝統を持つねぷた祭りなど、弘前市の魅力を大いにアピールした。

同フェアの開幕式は、遠東百貨の台南店を皮切りに、高雄店、台中店、新竹店、信義店、板橋店の6店舗で開催された。各会場の開幕式では、櫻田市長による威勢の良いねぷたの掛け声の中、ゲストが提灯行列で入場したほか、店舗ごとに趣向を凝らしたイベントも行われ、連日多くの来場者でにぎわった。

台南店の開幕式には、黄偉哲台南市長がサプライズで出席し、櫻田市長の来訪を歓迎した。

板橋店では、泉裕泰・日本台湾交流協会台北事務所代表があいさつし、「おいしく、安全・高品質な日本の食文化を台湾の皆様に見て食べて、知っていただくことに力を尽くしたい」と力強く語った。このほか、高雄店では小野一彦・日本台湾交流協会高雄事務所長が、台南店では古田清史・同副所長がセレモニーに参加して同フェアの開幕を祝した。

同フェアの主役ともいえる弘前のリンゴは、青森県産リンゴの中でも最高級品として台湾で非常に人気を得ている。特に旧正月の贈答用としての引き合いが多く、新型コロナ禍にも負けず、2020年のフェアでは14万個、2021年は16万個が販売された。

主催者である遠東百貨の責任者は「今回のフェアでは18万個の売り上げを目指す」と意気込みを語った。農林水産省によると、日本から台湾へ輸出されている農林水産物・食品のうち、リンゴは1位の118億円(2021年)となっており、また、同年の日本のリンゴの輸出総額(162億円)のうち、台湾向けは72.9%を占める。今回のフェアが、さらなる輸出拡大に寄与することが期待されている。

なお、台湾では20221013日以降、入境時の隔離検疫が撤廃された(2022年9月29日記事参照)。日台間の人的往来の回復に伴い、食文化の交流の活発化も期待される。

写真 板橋店での開幕式の様子(右手側が櫻田市長、左手側が泉代表)(日本台湾交流協会台北事務所提供)

板橋店での開幕式の様子(右手側が櫻田市長、左手側が泉代表)(日本台湾交流協会台北事務所提供)

写真 板橋店での開幕式の様子(日本台湾交流協会台北事務所提供)

板橋店での開幕式の様子(日本台湾交流協会台北事務所提供)

(有田雄子)

(台湾)

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