スナク英首相、COP27で各国首脳と会談

英国のリシ・スナク首相は11月7日、エジプトでの国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議（COP27）で各国首脳と会談。同氏にとって首相就任後初の外遊となる。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領との会談では、気候変動対応を引き続き推進する重要性に合意し、民生用原子力などクリーンエネルギーへの移行でのさらなる協力機会に言及した。不法移民についても、英仏海峡間での問題解決に向けて協力を継続することにコミットした。また、ウクライナの防衛に向けて軍事的・経済的支援を維持する重要性について議論した。

エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領に対しては、COP27議長国を務める同国のリーダーシップに謝意を示した。再生可能エネルギーへの移行については、グリーン水素や民間資金の動員などの分野の協力機会について議論。一方、スナク首相は、エジプトで収監されている活動家の問題に深い懸念を示し、早急な解決を期待するとした。

イタリアのジョルジャ・メローニ首相との会談では、長期的な安全保障と成長のために気候変動に対応する重要性に言及した。また、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う世界的なエネルギー価格と食料価格の高騰についても触れ、ウクライナ支援とロシアへの対応のため強力な姿勢を取ることで合意した。

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長との間では、再エネ移行と開発途上国への資金動員の加速に向けて協力するとしたほか、ウクライナに対する軍事的、経済的、外交的な支援の継続に合意。北アイルランド議定書については、解決策の合意に向けて協力する重要性につき一致した。

アラブ首長国連邦（UAE）のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領との間では、イラン核合意の「包括的共同行動計画（JCPOA）」に関する交渉のほか、イラン情勢など中東地域の安全保障について議論。また、英国と湾岸諸国との貿易協定の進展を含めた国防面、安全保障面、通商面での緊密な協力に合意した。UAEが2023年に議長国を務めるCOP28に向けた期待を示した。

イスラエルのアイザック・ヘルツォーク大統領とは、中東地域の安全保障について議論、両国間の国防や安全保障に関する協力の継続を歓迎した。また、貿易・投資や技術イノベーション協力などの分野で両国間関係がさらに深化することを期待するとした。

（山田恭之）