カナダ保健省、モデルナ製「BA.4、BA.5」対応2価ワクチンを承認

(カナダ)

トロント発

2022年11月08日

カナダ保健省は11月3日、モデルナの新型コロナ・オミクロン株「BA.4、BA.5」型対応2価ワクチン「スパイクバックス」の18歳以上を対象とした使用を承認した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと発表した。カナダでの「BA.4、BA.5」型対応2価ワクチンの承認は、10月7日付でのファイザー・ビオンテック製の12歳以上を対象とした承認(2022年10月11日記事参照)に次いで2例目となる。

同省では、審査の結果、同社の追加接種用2価ワクチンが安全かつ有効と判断した。同ワクチンは、従来株とオミクロン株「BA.4、BA.5」の両方に対して強い免疫反応を引き起こすことが期待されているという。また、安全性については、従来の「スパイクバックス」ワクチンと同様で、軽度の副反応はすぐに消失するという。なお、承認には同ワクチンの安全性と有効性に関する情報を同省に提供し続けることが条件として課されている。

本ワクチンの承認を受け、カナダの国家予防接種諮問委員会(NACI、注)も同日、各州や準州に対する新型コロナウイルスワクチン接種のガイドライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを更新し、「NACIは引き続き、認可された年齢層に対して新型コロナ・オミクロン株対応2価ワクチンを追加予防接種製品として推奨する」とした。ただし、「現在、BA.1とBA.4、BA.5を対象とした異なる追加接種用2価ワクチン間の防御力の有意差を示唆する証拠はなく、モデルナ製とファイザー・ビオンテック製を直接比較した臨床試験もない。追加接種用2価ワクチンに関する効果の差はまだ確立されていない」としている。そのほか、2022年秋期に5~11歳の子供への追加接種用2価ワクチン認可も今後のオプションとなりえるかの検討が行われていることも明らかにした。

カナダでは、新型コロナウイルス感染者は10月上旬から再び増加傾向にあり(2022年10月11日記事参照)、政府はワクチンの追加予防接種を推奨しているものの、10月9日時点でのカナダの3回目接種完了率は49.6%、4回目接種完了率は14.3%にとどまっている。

(注)NACIは、小児科や感染症、社会科学、公衆衛生などの分野の専門家で構成され、連邦政府に新しく承認されたワクチンの使用に関する指針を提供している。

(飯田洋子)

(カナダ)

ビジネス短信 095d9419492d9ff0