英政府、COP27でグリーンテクノロジー開発加速に向けた投資発表

(英国、エジプト)

ロンドン発

2022年11月21日

英国のグラント・シャップス・ビジネス・エネルギー・産業戦略(BEIS)相は11月11日、エジプトでの国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)で、新たなグリーンテクノロジー開発に向け、6,500万ポンド(約108億5,500万円、1ポンド=約167円)を超える投資を行うと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

シャップス大臣は、英国は現在、グリーンテクノロジーの低価格化と、国内外でのグリーン関連雇用の創出に向けた国際合意を主導しているとした。起業家やイノベーター、国際社会の努力が今後10年間で世界の温室効果ガス排出量を削減し、2050年までにネットゼロ達成に資すると述べ、この投資がそれを支援することになるとした。

また、今回の発表は、英国が雇用や成長、国内への投資を実現する上で他国よりも優位に立つかたちで、国際市場をよりグリーンにする影響を及ぼしていることを示すと説明した。

具体的には、以下の取り組みを実施する。

  • 世界のGDPの半分以上を占める国家の政府と連携し、電力、陸上輸送、鉄鋼、水素、農業など炭素集約型産業での化石燃料に代わる新たな選択肢の開発を推進。これにより、2030年までに新興国や途上国の企業が利用できる安価で魅力的な選択肢を提供。
  • インドやインドネシアを含む途上国のエネルギー集約型産業のグリーン化支援に向け、気候投資基金を通じ、大規模な産業移行プログラムに対し6,500万ポンドを拠出。
  • ドイツとともに、革新的なクリーン技術を開発するプロジェクト向けの資金調達を支援。2023年中に開始し、気候変動への緩和行動プロジェクトからエネルギー、輸送などの優先産業に対して拠出する。

これらの取り組みは、リシ・スナク英首相が11月7日に発表した、途上国での革新的なクリーンエネルギー技術の開発推進のために研究者や科学者に助成金を提供する「クリーンエネルギーイノベーションファシリティー」(2022年11月8日記事参照)に追加で拠出するとした6,550万ポンドに上乗せするものとなる。

(菅野真)

(英国、エジプト)

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