10月の自動車統計、国内販売台数が2021年6月以来の高い伸び記録

(メキシコ)

米州課

2022年11月11日

メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)は11月7日、10月の自動車統計(大型バス、トラックを除く)を発表した(添付資料表参照)。

国内販売台数は9万1,101台で、前年同月比で18.9%増加を記録し、単月で見ると、2021年6月に記録した同41.1%増以来の伸び率だった。2022年1~10月の累計国内販売台数は86万9,628台で、前年同期比4.2%増加した。10月の国内販売台数の上位5社を見ると、ゼネラルモーターズ(GM)が1万3,408台で前年同月比89.8%増、日産自動車が1万866台で29.4%減、起亜(KIA)が7,406台の5.2%増、トヨタが7,319台で41.9%増、クライスラー(Chrysler)が6,877台で72.5%増加した。5社のうち4社は増加が目立ったが、日産自動車は大幅に減少した。

輸出台数は26万7,910台で前年同月比19.3%増、生産台数は27万8,506台で8.0%増と、前月に引き続き堅調に推移した。メーカー別では、特にGMが輸出台数(6万3,437台、前年同月比2.0倍)、生産台数(5万8,291台、2.3倍)ともに好調で、10月の自動車輸出・生産を牽引した。

メキシコ自動車ディーラー協会(AMDA)のギジェルモ・ロサレス会長は、10月の国内販売台数が好調だった要因として、「販売代理店の在庫状況が改善し、商品の提供時間の短縮につながったから」と述べ、半導体不足で落ち込んでいた自動車生産が回復したことにより、消費者の注文から納品までの待ち時間が平均で4カ月から20日になった点を明らかにしている(「エル・エコノミスタ」紙11月4日)。10月の販売台数の結果も踏まえ、2022年の累計販売台数は前年比4.8%増の106万3,873台と予測している(AMDAプレスリリース11月7日付)。ロサレス会長は、この予測はAMDAの当初予想値を8万825台、11.3%上方修正するものと評価した一方で、「10月の国内販売台数は2019年同月比では14.9%減少、1~10月比では18.2%減にとどまっており、新型コロナウイルス禍以前の水準にはまだに大きな隔たりがある」とコメントしている。

(小西健友)

(メキシコ)

ビジネス短信 00aa3b03ccb161f0