モロッコのリン肥料生産の世界大手OCP、スペインの飼料生産大手の株式取得

(モロッコ、スペイン)

ラバト発

2022年10月27日

リン肥料(リン酸・アンモニウム肥料)生産で世界有数の規模を誇るモロッコ国営リン鉱石公社(OCPグループ、注1)は9月26日、スペインの大手肥料製造企業フェルティナグロ・バイオテック(Fertinagro Biotech S.L.外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)からグローバルフィード(GlobalFeed S.L.外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の株式50%を取得したと発表した。グローバルフィードは、動物飼料の生産や供給をグローバルに展開する企業で、スペイン南部のウエルバに拠点を持ち、リン酸由来の飼料や硫酸鉄を生産している。

動物飼料市場は特に途上国の人口増加による食肉などのタンパク質製品のニーズに支えられ、数年来、活況を呈している。OCPグループ幹部は、今回の株式取得により、自社が得意とするリン酸製品を多様化させ、動物飼料分野でも世界をリードし、世界的に需要の高まる動物飼料市場で製品の安定供給やニーズに合った製品の開発ができると、期待を示している。

OCPグループは、モロッコ国営のリン鉱山を有するリン肥料生産・輸出企業で、2020年に創業100年を迎えた。同国は世界のリン鉱石埋蔵量の70%を保有していると言われており、同社の2021年の収益は94億ドル。世界的な肥料需要の増加を追い風に、2022年上半期の収入は過去最高の52億9,000万ドルとなった。アフリカ地域では、グループ企業のOCP Africa外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますがナイジェリアやケニア、コートジボワール、エチオピアなど12カ国にビジネス拠点を持ち、各地で土壌改良や小規模農業者の経営安定化活動にも取り組んでいる。

(注1)本社はカサブランカにあり、主な生産拠点を大西洋沿岸のジョルフ・ラスファーやサフィ、内陸のベンゲリールなどに持つ。

(注2)フランスのエネルギー大手トタル傘下の再生可能エネルギー発電事業会社。

(本田雅英)

(モロッコ、スペイン)

ビジネス短信 f294fe8dc7b34a10