SWITCHとフィンテックフェス、大型イベント2件がリアル開催へ

(シンガポール)

シンガポール発

2022年10月20日

シンガポールは10月下旬と11月初旬に、イノベーション関連の大型イベントを2件、リアル開催する。エンタープライズ・シンガポール(ESG)(注)が毎年主催する大型イノベーション・イベント「シンガポール・ウイーク・オブ・イノベーション・アンド・テクノロジー(SWITCH)」(10月25~28日)と、シンガポール通貨金融庁(MAS、中央銀行に相当)が主催する世界最大級のフィンテック分野の国際イベント「シンガポール・フィンテック・フェスティバル(SFF)」(11月2~4日)だ。両イベントは2020年に新型コロナウイルス流行によりオンライン開催となり、翌2021年にはオンラインと会場のハイブリッドで開催された。2022年は3年ぶりに本格的なリアル開催となる。

今回のSWITCH外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、シンガポール南部沖のセントーサ島の施設「リゾート・ワールド・セントーサ」で開催される。国際会議では、ヘン・スイキャット副首相兼経済政策調整相とガン・キムヨン貿易産業相をはじめ、同国内外の政府高官、スタートアップや企業の代表300人以上が登壇する。また、展示会場では、250の団体やスタートアップ、テック系企業などがブースを構える予定。ジェトロはブースを設置するとともに、10月25日に東南アジアのスタートアップやテック系企業向けに日本進出の魅力を説明するセミナーを開催する。

また、11月2日からのSFF外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、シンガポール・エキスポで開催される。同イベントでは、ローレンス・ウォン副首相兼財務相やMASのラビ・メノン長官ら同国内外の政府関係者のほか、銀行、フィンテック関係者が登壇する。また、約500のフィンテック分野のスタートアップ、金融機関、テック系企業が出展する。日本のFintech協会は、金融庁のほか、東京、大阪、福岡の3都市との連携で、日本パビリオンを設置する予定だ。

2022年上半期のシンガポールのスタートアップへの投資、前年同期比54%増

ESGの発表(10月5日)によると、シンガポールを拠点とするスタートアップが2022年上半期に調達した資金総額は818億シンガポール・ドル(約8兆5,890億円、Sドル、1Sドル=約105円)と、前年同期比54%増加した。2021年通年の資金調達額は、1,470億Sドルだった。同国のスタートアップの資金調達額は2017~2021年に、年45%以上拡大している。ESGは発表の中で、「シンガポールのスタートアップとイノベーションのエコシステムが過去5年間で力強く拡大し、パンデミック下でも引き続き堅調だった」と指摘した。

(注)エンタープライズ・シンガポールは、シンガポール貿易産業省管轄下の産業・貿易振興機関。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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