米連邦上院選の世論調査、ネバダで接戦、ペンシルベニアはわずかに民主党優位

(米国)

米州課

2022年10月07日

米国の11月の中間選挙の連邦上院選で、ネバダ州では接戦、ペンシルベニア州では民主党候補がやや優位であることが各種世論調査からわかった。

CNNは10月6日、ネバダ州の連邦上院選などに関する世論調査結果(注1)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによると、もし連邦上院選が今日行われた場合、誰に投票するかという問いに対して、実際に投票に行くと想定される有権者の間では、共和党候補アダム・ラクソール氏(元州司法長官)は48%の支持で、現職の民主党候補キャシー・コルテス・マスト氏(46%)との差は2ポイントと拮抗(きっこう)している。好感度ではコルテス・マスト氏が45%と、ラクソール氏(39%)を6ポイント上回った。

有権者の連邦下院選に向けての関心事項としては、「経済・インフレ」(44%)が圧倒的に高く、「中絶」(14%)、「投票権、選挙の公平性」(10%)、「銃政策」(8%)、「移民」(8%)などが続いた。

ボストンのサフォーク大学が9月下旬に実施したペンシルベニア州の世論調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注2)では、連邦上院選の本選を想定した設問に対して、民主党候補のジョン・フェッターマン氏(同州副知事)が46%と、共和党候補のメフメト・オズ氏(テレビ司会者、40%)を6ポイント上回った。

オズ氏はフェッターマン氏に対し、犯罪に甘く州にとってリベラル過ぎると指摘している。オズ氏の好感度を上げることにはつながっていないが、サフォーク政治研究センターのデビッド・パレオロゴス所長は「対戦相手の都合の悪い点を指摘し、選挙を接戦に持ち込もうとするオズ氏の教科書どおりの戦略」と評している(「USAトゥデイ」10月4日)。

10月になって選挙情報サイト270トゥウィンのペンシルベニア州の連邦上院選の選挙予想(注3)は「民主党優勢」から「わずかに民主党優勢」に変更された。

共和党のラクソール氏、オズ氏ともに、ドナルド・トランプ前大統領が支持する候補である。

連邦上院議会は現在、民主党と共和党がともに50議席ずつ獲得しているため、両党とも現職議席を守ることが重要となっており、ネバダ州などの接戦州では厳しい戦いが続く。

(注1)実施時期は9月26日~10月2日、対象者はネバダ州の登録有権者926人。

(注2)実施時期は9月27~30日、対象者はペンシルベニア州の投票予定者500人。

(注3)サバトズ・クリスタル・ボール、クック・ポリティカル・レポート、インサイド・エレクション、スプリット・チケット、ファイブ・サーティエイト各社の総合判定に基づく。

(松岡智恵子)

(米国)

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