米成人の49%がインフルエンザワクチンの接種予定なしも、流行期にマスク着用予定は58%、米財団調査

(米国)

米州課

2022年10月12日

非営利組織の米国感染症財団は10月4日、インフルエンザを含む感染症について、米国人のワクチン接種に対する態度を調査した年次報告書を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。調査は2022年8月11~15日に実施され、18歳以上の米国成人計1,005人(オンライン経由946件、電話経由59件)から回答を得た。

この調査によると、回答した米国成人のうち、毎年のワクチン接種がインフルエンザ関連の死亡や入院に対する最良の予防策と感じている割合は69%に上った。他方、今季(2022~2023年シーズン)のインフルエンザ流行期にワクチン接種を予定している割合は、49%にとどまったという。ワクチン接種を予定している割合を世代別にみると、65歳以上で65%だったのに対し、18~64歳では45%だった。

インフルエンザワクチンの接種を予定していない人が、挙げた主な理由は次のとおり。

  • 41%:インフルエンザワクチンは、あまり効果がないと考えている。
  • 39%:ワクチンによる副作用を懸念している。
  • 28%:これまでインフルエンザに罹患(りかん)したことがない。
  • 24%:ワクチンによって、インフルエンザに罹患することを懸念している。
  • 20%:インフルエンザを深刻な病気とは思っていない。

自身または家族が、新型コロナウイルスに感染することを懸念している割合は34%だったのに対し、インフルエンザへの感染を懸念している20%と低かった。他方、インフルエンザ流行期に少なくとも時々はマスクを着用すると回答した割合は、58%と過半数に上った。このうち、「自分の住む地域でインフルエンザや新型コロナウイルスの流行が活発な場合」が40%、「人混みや大勢でいる場所で」が35%、「室内で」が22%だった。黒人(78%)は白人(52%)よりも、女性(66%)は男性(50%)よりも、インフルエンザ流行期におけるマスク着用への意識が高いとしている。

米国感染症財団は、この調査結果を踏まえ、各種ワクチンに対する認識を高め、誤解に対処する重要性を主張し、医療従事者が患者にワクチン接種を強く勧めることを促している。インフルエンザワクチンを接種することで、感染を完全に防げないとしても、重症度や罹病期間を抑え、入院や死亡を含む重篤な合併症を予防することができると述べている。また、新型コロナウイルスワクチンとインフルエンザワクチンを同時に接種しても、安全だとしている。さらに、ワクチン接種のほか、手洗い、マスクの着用、体調不良時の自宅待機が、インフルエンザ、新型コロナウイルス、そのほか呼吸器系ウイルスの蔓延(まんえん)を食い止めるのに効果的だと呼びかけている。

(片岡一生)

(米国)

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