米サンフランシスコのオフィス稼働率と観光客数、新型コロナ前の水準以下にとどまる

(米国)

サンフランシスコ発

2022年10月19日

米国不動産管理システム会社キャステールによると、カリフォルニア州サンフランシスコ都市圏のオフィス稼働率は10月5日時点で、新型コロナウイルスが本格的に感染拡大する前の2020年2月と比較して40.1%にとどまっている。この稼働率は、新型コロナが原因で落ち込む前の2020年2月の3週間の1日平均をベースラインの100とした場合の数値となっている(注)。

同都市圏のオフィス稼働率を時系列でみると、2022年1月に最低を記録した後、緩やかに上昇し、7月以降は4割ほどで推移している。また、ほかの米都市圏と比較すると、カリフォルニア州内ではサンノゼ都市圏が41.6%で、サンフランシスコと同程度、ロサンゼルス都市圏は45.0%で、サンフランシスコに比べてやや高くなっている。東海岸のニューヨーク都市圏は43.8%、中西部のテキサス州オースティン都市圏63.1%、同州ヒューストン都市圏58.1%、イリノイ州シカゴ都市圏45.2%となっており、地域により差が生じている。

サンフランシスコ観光客数も依然、新型コロナ感染拡大前の水準下回る予測

サンフランシスコ旅行協会が8月24日に発表した観光客数の予測によると、2022年にサンフランシスコを訪れる観光客は前年比26.5%増の2,150万人と見込まれている。この予測は2019年(2,620万人)に比べ17.9%減少しており、新型コロナ感染拡大前の水準を下回っている。また、観光客による2022年の支出額は、2019年(960億ドル)と比べて30.2%減の670億ドルと見込まれている。観光客の支出額は2024年、観光客数は2025年まで2019年の水準に届かないとみられている。同協会の会長兼最高経営責任者(CEO)のジョー・ダレッサンドロ氏は「われわれは明らかに回復の道を歩んでいるが、パンデミック前の観光レベルに達するには、まだ道のりがある。サンフランシスコは、アジアからの旅行客が戻り、出張やグループビジネスが増加するまで、完全な回復には至らないだろう」とコメントしている。

(注)全米47州の2,600ビルと4万1,000の事業者から、キーカード、フォブ、同社アプリのアクセスデータを調査。

(石橋裕貴)

(米国)

ビジネス短信 ca37f803dbc80c73