与党が党大会を開催、ニュシ大統領が党首3選

(モザンビーク)

マプト発

2022年10月12日

モザンビークで9月23~28日に、現政権政党「モザンビーク解放戦線(FRELIMO)」が党大会を開催した。党大会では、党首選挙と党中央委員会メンバーの選挙が実施され、党首選では現党首のフィリペ・ニュシ大統領の再任(3期目)が決定した。任期は5年。党首選には、ニュシ大統領のみが立候補し、得票率は100%(1,134票)だった。

中央委員会選挙には、候補者100人の中から79人が投票によって選出された。新たに選出された委員には、アドリアーノ・マレイアーネ首相、マックス・トネラ経済財務相を含む6人の現役閣僚のほか、ニュシ大統領の息子であるジャシント・ニュシ代議士も含まれる。中央委員会は総勢250人で構成されるが、今回選出された79人を除く他の委員は追って選出されるものと見られる。また、79人の委員の中から、同委員会内で最も重要な組織となる政治委員会のメンバー19人も選出され、現閣僚からはセルソ・コレイア農業農村開発相が選出された。政治委員会は大統領選挙に向けて、FRELIMO擁立候補者を選定する責務を担う。党首に次ぐ役職である書記長には、現職のロケ・シルバ書記長が再任(2期目)した。

モザンビークでは2023年に地方選挙、2024年に大統領選挙が控えており、独立以来の政権政党であるFRELIMOの党内人事には注目が集まっていた。これまでFRELIMOは党首を大統領候補として擁立しており、慣例に従うと2024年の大統領選の最有力候補は今回再任したニュシ大統領ということになる。他方、モザンビーク共和国憲法の規定では大統領は2期が上限とされており、現在2期目を務めているニュシ大統領が3選を狙う場合、憲法改正が必要となる。最大野党の「モザンビーク民族抵抗運動(RENAMO)」のホセ・マンティガス報道官は、ニュシ大統領は党内の自勢力基盤を認識したことで、今後大統領3選に向けて準備しているとの見解を示した(「カルタ・デ・モザンビーク」10月3日)。

(松永篤)

(モザンビーク)

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