米中間選挙の世論調査、連邦下院選で共和党がわずかに優位

(米国)

米州課

2022年10月18日

米国の11月8日の中間選挙を3週間後に控え、連邦下院選挙で共和党候補への支持が民主党候補をわずかに上回り、共和党の主張する政策が民主党の現政権の政策よりも有権者には魅力的なことが各種世論調査からわかった。

ニューヨーク州のシエナ大学は10月17日、中間選挙などに関する世論調査結果(注1)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによると、もし連邦下院選挙が今日行われれば、民主党候補、共和党候補のどちらに投票するかとの問いに、共和党候補が46%と民主党候補の44%を上回った。

米国が直面する最も重要な問題としては、「経済」(26%)、「インフレ/生活費」(18%)が上位2位に挙がり、「中絶」(5%)、「移民」(5%)、「犯罪」(3%)などが続いた。

米国ハーバード大学アメリカ政治研究センターとハリス・インサイト・アンド・アナリティクスが10月に実施した中間選挙などに関する世論調査(注2)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、連邦下院選挙を想定した設問で、民主党候補、共和党候補への支持がそれぞれ50%と拮抗(きっこう)しているが、投票予定者に限定すれば、共和党候補が53%と民主党候補(47%)を6ポイント上回った。

連邦下院選挙で重視する項目が投票にどのような影響を与えるかという問いに対しては、「インフレ」「犯罪」「移民」「学校での行き過ぎたイデオロギー教育の中止」のほか、「トランプ(ドナルド・トランプ前大統領)」「バイデン(ジョー・バイデン大統領)」で共和党候補へ投票すると答えた割合が民主党候補を上回り、民主党候補への投票と答えた割合が高いのは、「中絶」「気候変動」「人種的公平性」「MAGA(注3)共和党の民主主義への脅威」だった。

バイデン政権の打ち出す「電気自動車(EV)購入への補助金」「大学ローン免除」「マリファナ所持者赦免」「法人税の引き上げ」「IRS職員の増員」などの政策が魅力的かどうかについては、「魅力的(appeal)」が52%という結果だった。一方、共和党が唱える「不法入国に対する国境閉鎖」「犯罪者の投獄を増加」「政府支出の削減・凍結」については、「魅力的」が60%で、現政権の政策への支持を上回った。

選挙情報サイト、270トゥウィンの10月14日付の予想(注4)では、連邦下院選挙の獲得議席の見通しは、民主党206、共和党216、接戦13となっている。

(注1)実施時期は10月9~12日、対象者は全米の投票予定者792人。「ニューヨーク・タイムズ」紙と共同で実施。

(注2)実施時期は10月12~13日、対象者は全米の登録有権者2,010人。

(注3)MAGAは、Make America Great Again(アメリカを再び偉大に)の略。

(注4)サバトズ・クリスタル・ボール、クック・ポリティカル・レポート、インサイド・エレクション、スプリット・チケット、ファイブ・サーティエイト各社の総合判定に基づく。

(松岡智恵子)

(米国)

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