中国、サル痘ウイルスの分離に成功、ワクチンの研究開発を開始

(中国)

上海発

2022年10月26日

中国生物技術は1020日、中国医薬集団(シノファーム)中国生物武漢生物製品研究所がサル痘ウイルスの分離に成功し、ワクチンの研究開発を開始したと発表した。

世界保健機関(WHO)は723日に、サル痘を「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と認定した。WHOによると、1021日時点で、109の国・地域から75,345例の感染が報告されている。

中国では916日、重慶市衛生健康管理委員会が、国外から重慶への入境者1人からサル痘感染を確認したと発表した。これは1021日時点、国内で唯一報告されたサル痘感染者だ。

中国疾病予防コントロールセンター(CDC)傘下のウイルス病予防コントロールセンター(IVDC)の譚文傑主任は「伝染病における対応の原則は、早期発見、早期診断、早期隔離、早期治療だが、サル痘を隔離のみで発見するのは困難だ。サル痘に関する情報共有および教育、疫学調査などを重視する必要がある。また、サル痘は中国では自然宿主の分布がない伝染病であり、国外からのウイルスの流入を防ぐため、入境者と輸入動物の検疫を徹底すべきだ」と述べた。また、深セン市第三人民病院の盧洪洲院長は「入国検査をしっかりと行う必要があり、新しい検査方法、特に迅速検査用試薬を開発する必要がある。中国の新型コロナウイルスの防疫体制に基づくと、サル痘の大規模な感染拡大の可能性は低く、大衆はサル痘ワクチンを接種する必要はないが、ワクチンを開発することは依然として重要だ」と述べた(「新聞晨報」1020日)。

(宋青青)

(中国)

ビジネス短信 a5e9ca9bdae48f9d