投資補助金への申請総額が予算枠の10倍超、投資意欲を反映

(ルーマニア)

ブカレスト発

2022年10月17日

ルーマニアの「経済に大きな影響を与える投資を促すための国家補助金(政令2014年807号)」(2021年10月28日記事参照)の6月15日から7月26日までの受け付け分の申請件数は193件だった(政府発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。申請された案件の補助金申請総額は64億3,988万レイ(約1,867億5,652万円、レイは通貨単位レウの複数形、1レウ=約29円)に上り、同補助金の年間平均予算枠の10倍を超えたため、政府はこの補助金の年間平均枠をこれまでの1億4,500万ユーロから1億5,000万ユーロ相当、7億3,800万レイ(注)に引き上げた(HG1042/2022外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、8月22日官報掲載)。8月9日から60日以内に補助の可否が審査されるが、多くの案件が予算不足を理由に否決される可能性が高い。

そこで政府は8月、製造業向け補助金(政令2022年959号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを追加で創設した。2022年から2027年までの6年間、製造業分野の企業の初期投資のみを対象に総額3億ユーロを補助する。

従来の補助金(政令2014年807号)の審査基準には、新規投資額や投資の目的、投資する地域(地方部ほど補助率が高い)、前年度の利益率などがあり、申請案件ごとに点数が付される。政府は申請企業名、補助金申請額、点数を一覧できるリストPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公開している。点数が高い企業順に序列しているこのリストによると、申請193件のうち、わずか上位4件だけで申請額合計が6億8,277万レイに上り、年間予算枠を上回っている。ルーマニアのコンサルティング会社のワイズ・ファイナンス・ソリューションズ(WFS)の事業開発担当マネジャー、アンドレイ・クンペアン氏はジェトロに対し、「多くても上位12件(申請額合計19億3,500万レイ)しか承認されないのではないか」と話した。

新設した製造業向け補助金(政令2022年959号)では、製造業の新規投資のみを補助対象にしているが、地方部ほど補助金限度額が高い点は従来の補助金(政令2014年807号)同様だ。最も補助額が高い地域での1案件当たり上限額は4,500万ユーロだ。コンサルティング会社のノエルによると、同補助金の2022年分の申請は11月1日から12月16日まで受理される。

WFS日本法人の宮垣雄貴代表取締役はジェトロに対し、「西欧と比較すると、ルーマニアには高技能労働者の雇用にかかる費用対効果に圧倒的な魅力があるため、外資系企業の進出や拡張が止まらない。ルーマニアへの投資機会が到来していることを日本企業に知ってもらいたい」と話した。

(注)この政令ではレイ(レウの複数形)建てとユーロ建てが併記されている。

(西澤成世)

(ルーマニア)

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