ラマポーザ大統領がバイデン米大統領と会談、さらなる関係強化で一致
(南アフリカ共和国、米国、アフリカ、ロシア)
ヨハネスブルク発
2022年10月12日
南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は9月16日、米国を公式訪問し、同国のジョー・バイデン大統領と会談を行った。両者は、貿易・投資、安全保障、気候変動対策など多岐にわたるさらなる関係強化で一致した。
貿易および投資については、米国企業にとって南ア投資がより魅力的になるようビジネス環境を整備する必要性について一致。今後、貿易と投資に関する共同タスクフォースが立ち上がることになった。また、ラマポーザ大統領は、投資や貿易を通じて米国が南アの雇用創出に貢献していることを認める一方で、通商拡大法232条によって規定される鉄鋼・アルミニウム製品に課される関税(2020年12月20日記事参照)について、不公平かつ貿易障壁になっているとして懸念を伝えた。2021年の南アの対米輸出において、鉄やスチールは全体の4番目で取引金額にして6億4,700万ドルとなっており、アルミニウムなどは6番目でその額は5億400万ドルに上る。
ウクライナ情勢については、ラマポーザ大統領は一貫して主張を変えず(2022年6月8日記事参照)、平和的な交渉によって戦争を早急に終結する必要があるとの見解を示した。また、現在、米国上院で議論されている法案「アフリカにおけるロシアの悪意ある活動への対処法案(Countering Malign Russian Activities in Africa Bill)」(注)に対して異議を唱え、これが法制化された場合は「開発と経済成長を追求するアフリカ諸国を不当に疎外し、罰することになる」と述べた。
(注)国務省に対し、アフリカにおけるロシアの活動に対抗する戦略を作成し、議会への提出を義務付けるもの。軍事行動を含め、ロシアによる「悪質な影響」とみなされるあらゆる行動を規定しており、これに加担したアフリカ諸国を制裁の対象とする。
(堀内千浪)
(南アフリカ共和国、米国、アフリカ、ロシア)
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