政府、板橋データセンター火災で放送通信災難対策本部を開催
(韓国)
ソウル発
2022年10月18日
韓国政府は10月17日、放送通信災難対策本部を開催し、10月15日にSK C&Cの板橋(パンギョ)データセンターで発生した火災と、関連して起きたカカオ(インターネット大手)やネイバー(IT大手)のサービス障害の状況を確認した。データセンターの復旧状況は17日午前6時現在、以下の主なサービスを含め、約95%水準まで復旧が進んだと発表した。
1.カカオ
主要13サービス(注)のうち4サービス(カカオペイ、カカオゲームズ、カカオウェブトゥーン、ジグザグ)は正常化し、その他の9サービスは一部機能の復旧が進められている。カカオトークの画像・動画・ファイル送信機能は一部で速度低下があったが、復旧した。カカオ地下鉄、カカオTタクシー運転手アプリ、カカオT代行運転手アプリなども復旧した。
2.ネイバー
主要4サービス(ポータル、ショッピング、シリーズオン、Papago)のうち、ポータルの検索機能を除く3サービスが完全に復旧した。検索機能は日常的な利用に大きな支障はないものの、一部機能は完全な正常化に向けて復旧作業中だ。
「東亜日報」(10月17日)は消防当局などの発表を引用し、「15日午後3時19分に京畿道城南市にあるSK C&Cの板橋データセンターA棟の地下3階の電気室で火災が発生し、SK C&C側が安全上の理由で電源を遮断した。これにより、午後3時30分ごろから同建物にサーバーを置くカカオとネイバーなどのサービスに障害が発生した。特にカカオは3万2,000台のサーバーが停止し、『カカオトーク』などの主要サービスが中断したが、10時間が経過後、サービスが徐々に復旧した」と詳細を報じた。
「毎日経済」(10月16日)は今回のサービス障害を「カカオブラックアウト」と呼んだ上で、「今回の事態は火災が原因だった。しかし、災害時のバックアップや二重化の機能不全、過度なサーバー集中の問題、非常時の対応体制の不足、自社のインターネットデータセンター(IDC)不備などの複合的要因による、いつでも起こり得る『人災』に近い」と述べた。ネイバーについては「迅速な二重化体制により、全面的なサービス障害は発生せず、障害が発生した部分もすぐに復旧できたという点で、カカオとは対照的だ」と評価した。
(注)カカオトーク(メッセージアプリ)、ダウム(ポータルサイト)、カカオマップ(地図)、カカオペイ(金融)、カカオT(モビリティー)など。
(当間正明)
(韓国)
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