ブラジルで食品ラベル栄養成分表示の新ルール施行

(ブラジル、日本)

サンパウロ発

2022年10月18日

ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)は10月9日、食品ラベルの栄養成分表示について新しい規制を定めた、ブラジル国家衛生監督庁指令75号を施行した(注1)。

当該指令は、既存の栄養成分表示に関する規制に幾つかのルールを変更と追加したもの。主な変更と追加点は、栄養成分表についての表記の仕方と、製品が特定の成分を多量に含む場合の表示方法(注2)。これにより、食品ラベルに記載する栄養成分表示の方法を改善し、より詳しく分かりやすい情報提供をすることで、消費者の食品選択を容易にする目的がある。

具体的な変更点と新規項目は次のとおり。

【栄養成分表】

  • 複数の商品が梱包(こんぽう)されている場合、個数、重量の表記(画像の図A)。
  • 分析の単位が固形、半固形の食品については、100グラム、液体のものは100ミリリットルに統一(同図B)。
  • 1日当たり摂取量における当食品の割合を表記(同図C)。
  • 総糖分量と添加糖分量の表記(同図D)。
  • 項目によって使用する文字の大きさ、書体、色(黒)、背景色(白)を指定。
画像 栄養成分表のサンプル〔ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)より〕

栄養成分表のサンプル〔ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)より〕

特定の成分を多量に含む場合の表示表記

飽和脂肪や添加糖分、ナトリウムが多く含まれている場合、パッケージの表にシンボルで表示することを義務づけた。シンボルの大きさはパッケージそのもののサイズに応じて決めている。色は黒で背景は白と規定している(添付資料表参照)。

義務づけたシンボルは「3種類の場合」「2種類の場合」「1種類の場合」と定めており、詳細は添付資料図を参照。

10月9日以降に販売する商品は、今回のルール変更を踏まえることになるが、 以下の場合は、さらなる猶予期間を設けている(注3)。猶予期間は以下のとおり。

  • 2022年10月9日以前に市場で販売されている商品:2023年10月9日まで
  • 以下のカテゴリーの事業者が製造する食品:2024年10月9日まで
  • リサイクル容器を用いたノンアルコール飲料:2025年10月9日まで

(注1)詳細はブラジル国家衛生監督庁指令75号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照。当該指令は2020年10月8日に公布したもので、2年間の猶予期間を経て施行した。

(注2)詳細はANVISAの新栄養表示についての解説ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照

(注3)詳細はANVISA公式サイトPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)参照。

(斎藤裕之)

(ブラジル、日本)

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