チェコ、上院改選で与党が勢力拡大

(チェコ)

プラハ発

2022年10月05日

チェコ上院の議席(81議席)の3分の1を改選するための第1回投票が9月23日と24日に、第2回投票が9月30日と10月1日に、それぞれ実施された(注1)。10月2日付チェコテレビ(注2)によると、与党連合の議席数は71で、改選前から1議席増やし、上院の中での地位をより強化する結果となった(添付資料表参照)。

ペトル・フィアラ首相率いる市民民主党(ODS)、TOP 09、キリスト教民主連合=チェコスロバキア人民党(KDU=CSL)から成るSPOLU(中道右派3党連合)は、議席数を改選前の39から46議席に増やし、2021年10月の下院選に続き勝利を収めた。

SPOLUと連立を組み、上院で第2の勢力となっている市町村長・無所属候補者連合(STAN)は議席数を24から19に減らした。また、下院ではSTANとともに与党の一角を占める海賊党は上院に議席を持たない小政党「セネター21」と会派を構成しているが、議席を1つ減らし6議席となった。

一方、最大野党のANO 2011は、改選前の6議席から5議席に減らした。また下院第2の野党で、上院に議席を持たない自由と直接民主主義の党(SPD)は、今回も議席獲得にいたらなかった。その結果、下院野党の議席数は6から1議席減少し、前回の下院選挙で議席を失ったチェコ社会民主党(CSSD)と合わせても6議席にとどまった。

投票率は第1回投票外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが42.65%、第2投票外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが19.44%で、どちらも上院改選の投票率としては2012年以降での最高を記録した。

(注1)上院(81議席)の3分の1の議席改選は2年ごとに実施される。第1回投票で当該選挙区において得票率50%超の候補者がいた場合はその候補者が当選、いない場合には得票率上位2候補の間で第2回投票が行われる。

(注2)選挙結果はチェコ統計局が発表済み外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますだが、政党別議席数については日本時間10月5日正午時点で公的機関による発表がないため、チェコテレビの報道に基づく。

(中川圭子)

(チェコ)

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