米EV充電ネットワークEVCS、長距離ドライバー向け定額サブスクを導入

(米国)

サンフランシスコ発

2022年10月20日

米国西海岸で電気自動車(EV)充電ネットワークを展開するEVCS(本社:カリフォルニア州アーケイディア)は10月12日、自社の充電サブスクリプション(サブスク)・プランを拡大し、長距離を走行する通勤者やギグ・ドライバー(注1)の高速充電ニーズに応えるプランを追加すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これまでサブスク・プラン対象外だったライドシェアやパッケージ・デリバリーなどの商業ドライバーも、月ごとの定額料金で充電が可能となる。

EV充電ネットワークでは通常、定額料金制を提供していなかったり、月額料金や会員料金に加えて、キロワット時(kWh)ごとの料金を設定したりするのが一般的だ(オートモーティブニュース10月12日)。EVCSのサブスク・プランは、料金設定を単純化し、地域ごとの価格設定や時間帯割り増し料金などを除いたもので、これまでは比較的走行距離の短いドライバー向けに「スタンダード・エニタイム」プランを提供していた。同プランは、ひと月の走行距離が1,150マイル(約1,851キロ)未満のドライバー向けで、月額49.99ドルで最大200kWh充電できる(レベル2、レベル3・DC充電器、注2)。50kWhのEV電池容量で、月に7回分の充電(20~80%充電)が可能だとしている。これらの上限を超えると、1kWhごとに29セントの従量課金制へ切り替わる。

今回追加となったEVCSのアンリミテッド・プランは、「アンリミテッド・オフピーク・プロ」(月額99.99ドル)と「アンリミテッド・エニタイム・プロ」(月額199.99ドル)の2種類で、「アンリミテッド」の名のとおり、月額料金のみで上限なく充電できる。ただし、オフピーク・プロ・プランは、利用の少ない時間帯(午後10時~午前6時)に限定して充電ができるプランとなっている。

EVCSは、2023年末までに直流高速充電器(DCFC)を700基以上設置する予定で、同社のネットワークはカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州の88都市に広がっている。

(注1)配車サービス(シェアライド)やパッケージ・デリバリーのような「ギグ・エコノミー」のコントラクターとして働くドライバーを指す。

(注2)レベル2は、208~214ボルトの交流電流で、プラグインハイブリッド車(PHEV)の走行距離に換算すると、1時間当たり14~35マイルの充電が可能。レベル3(DC高速充電)は、408ボルトの直流電流で、約30分で全バッテリー式EVを80%充電可能。

(田中三保子)

(米国)

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