イノベーションランキングでイスラエル、UAE、トルコがTOP50入り

世界知的所有権機関（WIPO）は9月29日、グローバル・イノベーション・インデックス（Global Innovation Index）の2022年版の報告書（注）を公表した。国別のランキングで中東地域では、イスラエルが最高の16位となった。アラブ首長国連邦（UAE）が31位、トルコが37位でTOP50入りした。世界では1位がスイス、2位が米国、3位がスウェーデンだった。主な中東諸国は以下の順位。

• 16位：イスラエル
• 31位：アラブ首長国連邦（UAE）
• 37位：トルコ
• 51位：サウジアラビア
• 52位：カタール
• 53位：イラン

イスラエルは、ビジネスの洗練度（6位）、市場の洗練度（7位）、知識・技術のアウトプット（7位）などの項目で高く評価された。特に、ベンチャーキャピタル投資や、高度な学位を持つ女性雇用者、国際的な特許制度、情報通信技術（ICT）サービス輸出、研究開発費（GDP比で約5.4％）の指標では、世界でトップクラスだった。

UAEはイノベ―ションにかかる制度（6位）、インフラ（7位）などの項目で評価が高かった。トルコは創造的なアウトプット（15位）で、特に工業デザインなどの分野の評価が高かった。

同報告書では、科学技術開発が集中する都市・地域について、「科学技術クラスター」としてランキングを公表している。中東では、テルアビブ（イスラエル）が最高で30位、次いで、テヘラン（イラン）が32位となった。また、トルコのイスタンブールは46位、アンカラは86位で、ともにTOP100に入った。世界では1位が「東京・横浜」、2位が「深セン・香港・広州」、3位が北京となった。

（注）132の国・地域のイノベーションに関して、（1）制度、（2）人的資本と研究、（3）インフラ、（4）市場の洗練度、（5）事業の洗練度、（6）知識・技術のアウトプット、（7）創造的なアウトプットの7項目について評価し、ランク付けした年次報告書。

（井澤壌士）