国内石油ガス企業、今後5年間で事業縮小を見通す企業が増加

(コロンビア)

ボゴタ発

2022年10月28日

コンサルティング会社のハイメ・アルテガ&アソシアードスが10月27日に発表した報告書「石油バロメーター2022年(Barómetro Petrolero 2022)」によると、今後5年で石油ガス事業が「縮小する」と答えたコロンビア国内石油ガス企業が増加した。同報告は、国内の石油ガス企業を対象に、今後5年の事業展開の方向性を問うアンケート調査だ(注1)。同調査結果によると、「拡大する」と回答した企業の割合は前年比9ポイント減の34%、「維持する」とした企業は7ポイント減の29%だった。一方、「縮小する」と回答した企業は前年より16ポイント増え、37%となった。

事業を縮小する理由は、政権交代が24%と最も多く、次いで政府支援の欠如(20%)、地域社会の石油セクターへの拒否反応(16%)、法的安定性の欠如(15%)、環境ライセンス取得が困難(13%)などとなっている。

調査では、鉱山エネルギー省、国家炭化水素庁、環境省、地方自治体などへのアンケート(注2)も実施された。現政権下での石油ガス産業の展望に関する問いでは、再生可能エネルギーへの転換が、「進展する」(51%)、「維持する」(33%)、「後退する」(10%)との回答だった。環境に配慮したオペレーションについては、「進展する」(48%)、「維持する」(37%)、「後退する」(11%)との回答結果だった。このことから、関係省庁や自治体などでは、グスタボ・ペトロ大統領が掲げる、化石燃料採掘業中心の経済からの脱却が推進されるとの見方になっているようだ。一方、企業や投資家に対する法的安全性については「後退する」との回答が26%、原油・ガス確認埋蔵量については「減少する」との回答が23%となった。

ペトロ大統領は、選挙活動中から新たな石油探査の禁止を訴えてきたが、ホセ・アントニオ・オカンポ大蔵・公債相は「まだ決定していない」、イレネ・ベレス鉱山エネルギー相は「新たな開発契約は締結しない」と発言するなど、政府内でも混乱がみられる。そのような中、ペトロ大統領は10月20日、「石油、石炭、ガスの開発契約は通常どおり継続される。禁止事項は何もない」とツイッターで発言したが、新たな開発契約については明言していない。

(注1)2022年6月21日~9月16日実施。対象157社。

(注2)2022年6月21日~8月2日実施。対象245機関。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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