英ソフトウエア企業、炭素会計スタートアップを買収

(英国)

ロンドン発

2022年10月20日

英国ソフトウエア企業セージ(Sage)は10月12日、炭素会計ソリューションを提供する英国スタートアップのスフェリックス(Spherics)の買収完了を発表した。外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

セージは、中小企業向けに会計、金融、人事と給与に関するテクノロジーを提供している。同社は2040年までに自社のネットゼロ達成を目標としており、顧客となる中小企業のネットゼロに向けた取り組みも支援することにコミットしている。セージは、スフェリックスのソフトウエアを活用して、中小企業の排出削減に貢献するとしている。具体的には、顧客の会計ソフトからデータを取り込み、カーボンフットプリントに関する推定値を算出する。企業がデータを追加することで、より精緻な数字を算出することもできる。さらに、炭素排出を分類することで、取引ごとのカーボンフットプリントの推定を行うこともできるとしている。

スフェリックスは2021年9月、英国コンサルティング企業テックネーションによるアーリーステージのクライメットテック(気候変動対策に資する技術)企業支援プログラム「ネットゼロ2.0外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に選出された。

テックネーションは、スフェリックス以外のクライメットテックも支援している。2022年9月には、同プログラム「ネットゼロ3.0外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に炭素会計関連のスタートアップとしてツリーコノミー(treeconomy)が選出された。同社は土地所有者に対して、植樹によるカーボンクレジットを評価、モニタリングするサービスを提供。カーボンクレジットの取引市場のほか、クレジット購入者に対してプロジェクトのモニタリングやインパクトを確認することができるプラットフォームを提供している。

なお、テックネーションは10月4日、大手会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)と共同で、シリーズA以降のクライメットテック企業支援プログラム「ネットゼロX」の対象企業20社も発表している外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。20社の内訳としては、モビリティー・輸送、炭素除去・回収・有効利用・貯留、エネルギー分野の企業が多くなっている。

(レイナー・あや)

(英国)

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