第3四半期の貿易、輸出は好調維持、輸入は鈍化

(ベトナム)

ハノイ発

2022年10月17日

ベトナム税関総局によると、2022年1~9月の輸出は2,823億4,652万ドル(前年同期比17.2%増)、輸入は2,755億8,316万ドル(12.8%増)で、貿易収支は67億6,336万ドルの黒字となった。第3四半期(7~9月)に入って、輸出は欧米向けが好調を維持する一方、輸入は石油製品を除いて伸びが鈍化した。

主要国・地域別にみると、輸出は、米国が851億6,821万ドル(前年同期比23.7%増)で1位、次いで中国が412億2,264万ドル(6.2%増)、韓国が186億8,198万ドル(16.8%増)だった(添付資料表1参照)。6位のオランダは40.1%増の78億1,728万ドルで、7位のドイツは28.7%増の67億6,070万ドルになるなど、欧州向けの輸出増加が顕著となった。欧州向けは機械設備・同部品などの増加が目立った。

輸入は、中国が911億5,828万ドル(前年同期比12.1%増)で1位となり、韓国が481億1,812万ドル(18.8%増)、台湾が179億2,211万ドル(17.2%増)と続いた(添付資料表2参照)。

対日本は、輸出が178億3,762万ドル(前年同期比21.6%増)、輸入は178億5,028万ドル(9.0%増)で、輸出入ともに4位だった。日本への最大の輸出品目である縫製品が27.9%増と、大幅に伸びた。貿易収支は1,266万ドルの赤字だったが、第3四半期に入って赤字幅が縮小した。

対世界輸出を主要品目別にみると、1位は電話機・同部品、2位はコンピュータ電子製品・同部品、3位は機械設備・同部品の順位だった(添付資料表3参照)。縫製品(前年同期比23.8%増)や履物(36.5%増)は新型コロナ禍から需要が回復し、好調な伸びを維持するが、電話機・同部品は第3四半期に入って伸びが鈍化した。ベトナムに世界最大のスマートフォン生産拠点をもつ韓国サムスン電子は、2022年内の出荷目標台数を下方修正の上、減産調整をしており、世界的なスマートフォン市場の需要減少の影響がみられる。また、輸出上位品目がほぼ軒並み2桁成長する中、鉄鋼は22.6%減と大幅に落ち込んだ。

輸入は、1位がコンピュータ電子製品・同部品、2位が機械設備・同部品、3位が電話機・同部品だった(添付資料表4参照)。資源高の影響で引き続き石油製品の輸入額の増加が目立ったが、第3四半期はそのほかの上位品目の伸びが鈍化した。

(蛇見拓斗)

(ベトナム)

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