ファレル貿易・観光相が訪日、再エネなど日本の投資拡大を期待

(オーストラリア、日本、韓国)

シドニー発

2022年10月21日

オーストラリアのドン・ファレル貿易・観光相は、101012日に日本を訪問し、日本政府高官や経済界代表らとの会合に臨んだ。ファレル貿易・観光相は10日、第59回日豪経済合同委員会に出席し、基調講演を行った。講演の中で、同相は「オーストラリアは日本にとって重要なエネルギー分野の貿易パートナーであり、今後もパートナーシップを維持していく」と述べ、日本へのエネルギー安定供給に意欲を示した。また、「ネットゼロに向けたエネルギー移行に不可欠な再生エネルギーや重要鉱物に投資を行うことで、(エネルギー貿易のパートナーとしての)関係を構築できる」とも述べ、同分野への投資を呼びかけた。

ファレル貿易・観光相は11日、第4回日豪経済閣僚対話で日本の西村康稔経済産業相と共に共同議長を務めた。閣僚対話では、通商分野やエネルギー分野における連携について議論を行った。通商分野では、インド太平洋経済枠組み(IPEF)、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定、WTO、サプライチェーン強靭(きょうじん)化などの推進やインド太平洋地域における連携の必要性を確認した。エネルギー分野では、液化天然ガス(LNG)など資源・エネルギー安定供給確保について、日本からオーストラリアに対して理解を求めるとともに、水素・アンモニアといったクリーンエネルギー分野における協力、日本政府が提唱し、アジア諸国との脱炭素化に向けた連携を目指す「アジア・ゼロエミッション共同体」構想について議論を行った。日豪両国は閣僚対話後、経済、エネルギー、重要鉱物、安全保障など幅広い分野の協力をうたった共同声明PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を出した。ファレル貿易・観光相は同日、林芳正外相とも会談した。

日本訪問の後、ファレル貿易・観光相は韓国を訪問した。12日にオーストラリア重要鉱物業界の韓国派遣代表団と合流し、重要鉱物に関する商業サプライチェーン確保のための重要鉱物産業ラウンドテーブルに、韓国の李昌洋(イ・チャンヤン)産業通商資源部長官と共に出席した。また、13日には安徳根(アン・ドックン)通商交渉本部長との会合を行った。

(青島春枝、糸川更恵)

(オーストラリア、日本、韓国)

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