米ヒスパニック系スーパー、アマゾン活用で食品宅配サービス拡大

(米国)

ロサンゼルス発

2022年10月05日

米国カリフォルニア州オンタリオに本拠を置くヒスパニック系スーパーのカルデナス・マーケッツは、アマゾンを活用し、注文から最短2時間で生鮮食品や総菜を届けるオンデマンド宅配サービスを展開する予定だ。業界紙「スーパーマーケット・ニュース」(9月29日)が報じた。サービスの対象地域はカリフォルニア州インディオ、ポモナ、マリエタ、ピッツバーグとネバタ州ラスベガスなどで、2023年にはさらに多くの店舗でサービスを展開する予定だ。

カルデナスはグループ全体でカリフォルニア州とネバダ州、アリゾナ州に全65店舗を展開している。過去には、オンデマンド宅配サービスのウーバーイーツやドアダッシュ、シップト、インスタカートで食品を配送してきた。同社マーケテイング部門の最高責任者のアダム・サルガド氏は「アマゾンとの新たな提携は、カルデナス・マーケッツの電子商取引(EC)への積極的な取り組みを示すものだ。今後数カ月のうちに、当社が事業を展開する全域のより多くの店舗で、このサービスを利用できるようになるだろう」と述べている。

食品のオンデマンド宅配サービス市場の競争は激化している。ドアダッシュは2022年2月、大手スーパーのアルバートソンと提携し、6,000以上の商品を300店舗から注文後30分以内に届けることができる「超速宅配サービス」を開始した。これは、最短で45分以内に配送可能なインスタカートに対抗するものだと報じられている(「グロサリードライブ」2月17日)。

新型コロナウイルスの流行によって需要が拡大した食品の宅配サービスは、希望した時間帯に商品が届けられる利便性から、新型コロナ禍の後も定着している様子がうかがえる。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

ビジネス短信 205e7b2f0fa21992