連邦政府がサル痘ワクチンの調達を発表

(スイス)

ジュネーブ発

2022年10月26日

スイス連邦内務省保健局(FOPH)は1014日、スイス軍薬局と連携し、デンマークのバイオ医薬品会社ババリアン・ノルディックのサル痘ワクチン「ジンネオス」を10万回分調達したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。4万回分が11月初旬から年末までに納品され、残り6万回分は軍の備蓄用に2023年に納品の予定。納品されたワクチンは軍薬局が各州に分配し、各州がワクチン接種手続きや情報提供を行う。ワクチンの費用は、国内の全居住者が加入を義務付けられている基礎健康保険制度の適用がされるまで、一時的に連邦政府が負担する。

FOPHと連邦ワクチン委員会がサル痘ワクチンの接種を推奨するのは、サル痘感染者と接触した人のほか、予防措置として、男性間性交渉者(MSM)、複数人と性的接触のあるトランスジェンダー、サル痘ウイルスにさらされている医療従事者とされている。

1018日時点で、スイスとリヒテンシュタイン(注)ではサル痘の累計感染者数は542人となっている。ジュネーブ州、ボー州、チューリッヒ州、バーゼル・シュタット準州での感染者数が多いが、9月以降、感染者増加のペースは緩まっている。

(注)スイスとリヒテンシュタイン間では2011年に、世界保健機関(WHO)の国際保健規則(IHR2005の実施に関する協力協定が調印され、リヒテンシュタインにおける国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を構成する可能性のある事案の評価と報告について、スイスが行うこととなった。

(深谷薫、マリオ・マルケジニ)

(スイス)

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