アフリカ経済は減速見込み、債務も増加、UNCTAD報告書

(アフリカ)

中東アフリカ課

2022年10月18日

国連貿易開発会議(UNCTAD)が10月3日に発表した「貿易開発報告書2022外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、アフリカでは、2021年に新型コロナウイルス禍による経済停滞からの反動により、5.1%の経済成長となったが、2022年は2.7%、2023年は2.4%の成長と、成長率は減速する見込みだ。

また、アフリカ各国の債務は増加傾向にあり、同報告書によると、2022年5月末時点で、低所得国16カ国で債務が増加した。チャド、コンゴ、モザンビーク、サントメプリンシペ、ソマリア、スーダン、ジンバブエの7カ国は既に財政難に陥りつつあるという。背景には新型コロナウイルス感染拡大による約2年間の経済停滞や、新型コロナ関連の財政負担の増加増などがある。IMFはザンビアへの支援を合意しており、ガーナ、チュニジア、エジプトなどへの支援を検討中だ。

報告書によると、ロシアによるウクライナ侵攻以降、穀物や燃料の価格高騰により、アフリカでは食糧危機が発生しているという。UNCTADのレベッカ・グリンスパン事務局長は、肥料価格の高騰も食糧危機に影響を与えていると指摘したほか、アフリカの33カ国が食糧の国際支援を必要としており、うち18カ国では今後さらに食糧危機が悪化する可能性があると述べた。

一方で、アフリカ各国によって状況は異なり、コートジボワール、ルワンダ、ナイジェリア、エジプトなどでは、新型コロナや、ロシアによるウクライナ侵攻の影響を受けつつも、経済成長も見られる。一方で、南アフリカ共和国では、南東部のダーバンでの洪水などの影響もあり、2022年の成長は1.4%にとどまる見込みだ。

(井澤壌士)

(アフリカ)

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