エア・アラビアとDALが合弁でLCCを設立
(スーダン、アラブ首長国連邦)
カイロ発
2022年09月27日
中東・北アフリカ地域で最大の格安航空会社(LCC)エア・アラビアと、スーダンのコングロマリット企業DALグループは9月22日、スーダンのハルツーム国際空港を拠点とする合弁会社「エア・アラビア・スーダン」の立ち上げを発表した。
アラブ首長国連邦(UAE)のシャルジャに本社を置くエア・アラビアは、これまで航空路線開発のための合弁契約を積極的に行ってきた。2021年には、アルメニア国益基金(ANIF)と「フライ・アルナ」を設立し、さらにパキスタンのコングロマリット企業ラクソングループと「フライ・ジンナ」を設立している。エア・アラビアのシェイク・アブダッラー・ビン・ムハンマド会長は「エア・アラビア・スーダンがスーダンの航空輸送に大きな価値を与え、地域経済の成長と旅行・観光分野の発展に直接貢献すると確信している」と述べた。
スーダンのDALグループは、1951年にベアリングなどの貿易を専門とする会社として創業し、1994年に設立したDALモーターズは、三菱自動車とスーダンにおける販売契約を結んで同国での日本車販売台数を伸ばしてきた。現在は、食品・飲料、農業、自動車、鉱業など幅広い分野を牽引するコングロマリット企業だ。DALグループのオサマ・ダウード・アブドゥルラティフ会長は「LCCの先駆者であるエア・アラビアとの提携は、スーダンの長期的な成長と発展に寄与するというDALグループの企業理念に基づいている。スーダンの観光、貨物輸送、航空インフラ分野などの開発に貢献していきたい」と語った。
DALグループは既に2022年6月、UAE最大手の国営企業であるアブダビ開発ホールディング(ADQ)傘下のアブダビポート(Abu Dhabi Ports)との合弁事業として、40億ドル規模の新しい港の建設計画を発表している。新港はポート・スーダンの北約200キロに位置し、ドバイのジュベル・アリに倣い、経済特区や小規模な国際空港も建設される予定だ。
(齊木隆太朗)
(スーダン、アラブ首長国連邦)
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