第2四半期のGDP成長率は前期比0.5%、前年同期比3.7%

(チェコ)

プラハ発

2022年09月02日

チェコ統計局の8月30日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2022年第2四半期(46月)の実質GDP成長率(季節調整済み)は前期比0.5%で、第1四半期(13月)の同0.6%に続き、小幅なプラス成長となった。前年同期比では3.7%で、第1四半期の4.6%からやや減速した。

成長率を需要項目別にみると、総固定資本形成が前期比0.7%増大した(添付資料表1参照)。これは主として非住宅投資や輸送機器への投資によるものだ。ただし、伸び率は前期の2.3%から減少している。また、輸出は1.2%増加したが、サービスの輸出(4.9%増)が貢献している。財貨の輸出は0.5%増にとどまった。民間最終消費支出はマイナス0.1%で、前期(マイナス0.3%)より減少幅は縮小したものの、3四半期連続のマイナスとなった。特に耐久消費財向け支出の減少傾向が続いている。

産業別では、専門・科学・技術・管理サービスが前期比3.5%、情報・通信が2.4%それぞれ増大した(添付資料表2参照)。製造業も0.3%のプラスを維持した。また、価格高騰の影響により前期比減が懸念された運輸、小売り、卸売り、宿泊・飲食サービスも0.4%増で、6四半期連続でプラス成長を維持している。

産業連盟は日に発表したコメント外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、特に成長率が前年同期比で3.7%だったことに関して、ロシアのウクライナ侵攻などに関連するさまざまなマイナス要素を考えれば、この結果は比較的ポジティブなものと評価している。同連盟のボフスラフ・チージェック経済政策部長は、このため産業連盟が春に予測した2022年通年のGDP成長率は上方修正される可能性もあると指摘している。ただし、2022年末と2023年の成長率については、マイナス要素が表面化すると警告、「特にエネルギー価格の高騰や、ガス供給の先行き不透明な状況、インフレ加速などに関連する障害の集積は、来年の経済予測の大幅な下方修正を意味する」と同部長は述べている。

財務省は、第2四半期のGDP成長率発表前の819日に夏季マクロ経済予測PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表、その中で2022年のGDP成長率を、4月発表(春季経済予測)の1.2%から2.2%に上方修正した。2023年に関しては、3.6%から1.1%と大幅に下方修正している。

(中川圭子)

(チェコ)

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