自動車・部品の投資促進法を公布、新規生産とバリューチェーン強化を振興

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年09月28日

アルゼンチン政府は9月16日、自動車・自動車部品およびバリューチェーン投資促進法(法律27686号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布した。当該法では、自動車および自動車部品産業が、アルゼンチンの戦略産業であることを宣言し、自動車および自動車部品製造会社による新たな生産プロジェクトに対して優遇措置を与える新規投資強化プログラムの導入、さらには国の自動車政策立案、自動車産業のバリューチェーン上の課題分析などを担うモビリティー研究所の設立を定めている。

新規投資強化プログラムは、自動車および自動車部品製造会社による新たな生産プロジェクトに対して優遇措置を与えるものだ。対象となるのは完成車および自動車部品に関する新たな生産プロジェクトで、政府の認可を受ける必要がある。認可を受けた生産プロジェクトは、自動車や自動車部品の製造に直接関連する資本財に対する優遇措置、土木工事を除くインフラ工事に係る付加価値税の早期還付や加速度償却(資産の償却ペースの短縮)、2031年12月31日まで輸出税を無税とするなどの優遇措置を受けることができる。

認可を受けた企業は、プロジェクトの承認から3年以内に必要な投資を実行して生産を開始しなければならない。期限の延長は可能だが、延長された期間を含めて2029年12月31日までに生産を開始しなければならない。また、生産品目ごとに適用条件と最低国産化比率(CMN:Contenido Minimo Nacional)が設定されている(添付資料表参照)。

モビリティー研究所については、(1)自動車政策のアイデアやイニシアチブの立案、(2)自動車産業のバリューチェーンにおける生産上の問題の調査・研究・分析、(3)公的機関、民間団体と連携した自動車産業の持続的発展に貢献するプログラムやプロジェクトの推進、(4)科学技術インフラと関連研究機関のネットワーク構築の促進と資金供与、(5)自動車産業のバリューチェーンに関わる人材の教育や訓練の促進を担うことが定められている。

アルベルト・フェルナンデス大統領やセルヒオ・マッサ経済相らは9月16日、同法を公布する際の式典に出席し、自動車産業の同国における生産、雇用、外貨獲得への貢献の大きさを強調した。大統領府によると、自動車産業はGDPの7%、輸出の8%を占め、自動車メーカーとサプライヤーを合わせて約20万人の雇用を創出している。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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