決済アプリ利用者の3割は個人情報流出を懸念、米シンクタンク調査

(米国)

米州課

2022年09月14日

米国で決済アプリの利便性を評価するも、利用者の3割は個人情報の流出を懸念していることが、シンクタンクの調査から分かった

シンクタンクのピュー・リサーチ・センターは98日、決済アプリの利用者の認識に関する調査結果(注)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

代表的な4つの決済アプリの利用状況をみると、利用したことがある割合は、ペイパル(PayPal)が57%と最も高く、ベンモ(38%)、ゼル(Zelle36%)、キャッシュアップ(26%)の順となった。これらの4つの決済アプリの少なくとも1つを使用したことがあるのは、全体の76%だった。

年代別で利用率に差があるのはベンモで、1829歳では57%が利用しているが、5064歳で28%、65歳以上の利用は15%にとどまった。人種別の利用率に差があるのはキャッシュアップで、黒人の利用率が59%と高く、ヒスパニック(37%)、白人(17%)、アジア系(16%)との差が大きい。高所得者は、ペイパル(67%)、ベンモ(54%)を利用する傾向が高い。

また、決済アプリを利用する理由としては、「支払いを容易にする」が61%と最も高く、「より安全に送金できる」(47%)、「知り合いも利用している」(34%)、「他の利用者と費用を割り勘にできる」(21%)が続いた。

決済アプリの利用に当たっては安全性への懸念もあり、上記4つのアプリのいずれか利用したと回答した者のうち、34%は個人情報の流出に対する安全性について「ほとんど、あるいは全く信頼していない」という結果だった。また、「誰かに送金して、後で詐欺であることに気づいた」(13%)、「アカウントがハッキングされた」(11%)という被害にあったとしている。

ファイナンス情報を提供するサイト「バランス」は20226月に、用途に合わせて利便性の高い決済アプリとして、ペイパル、ベンモ、キャッシュアップ、ゼル、グーグル・ペイ(Google Pay)、メタ・メッセンジャー(Meta Messenger)を紹介している。

(注)実施時期は7517日。対象者は全米の成人6,034人。

(松岡智恵子)

(米国)

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