第2四半期のGDP成長率は前期比0.3%、サービス部門は回復
(スイス)
ジュネーブ発
2022年09月12日
スイス連邦経済省経済事務局(SECO)は9月5日、2022年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率を前期比0.3%(季節調整済み、注)と発表した(添付資料表1参照)。4月初旬に新型コロナウイルスに関する規制がほぼ全面解除されたことを受け、サービス部門が回復、スイス経済は予想どおりの回復基調をたどった。
需要項目別にみると、個人消費支出は堅調に伸び、前期比1.4%増となった。新型コロナウイルス感染予防対策の解除を受けて、宿泊や外食への家計支出が増えたことが大きく寄与した。設備投資は前期のマイナス成長から反転し、2.6%増とプラス成長になった。建設投資は0.2%減と微減した。
産業別では、感染予防対策の影響が最も大きかったサービス部門が、規制の解除を受けて、顕著な回復を見せた(添付資料表2参照)。宿泊を伴うインバウンド旅行客が、特に欧州や米国から大幅に増加したことから、宿泊・飲食サービス業が前期比12.4%増と急伸した。人の移動が増えたことに伴い、運輸・通信業は4.4%増、芸術・娯楽・レクリエーション業は1.4%増となった。サービス部門でマイナス成長となったのは、卸売・小売業の2.1%減と金融・保険業の0.4%減だった。前者は主に、食品の卸売り・小売りの減少に起因した。サービス部門の好調は、サービスの輸出(5.0%増)にも波及した。製造業(0.5%減)は、7四半期にわたって平均以上の伸びを記録した後、化学・医療品分野の輸出の減少を受けて、わずかに減少した。景気循環の影響を受けやすい他の産業部門は小幅な成長を続けたが、財貨の輸出(11.5%減)は中継貿易の大幅な縮小により大きく減少した。
(注)スイス国立銀行(SNB)による国際収支データの改定を受け、連邦統計局(FSO)と経済事務局(SECO)は2022年夏、スイスの国民経済計算(年次および四半期)の1980年から現在までのデータを対象に、臨時の一部改定を行った。
(竹原ベナルディス真紀子)
(スイス)
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