ドバイ万博会場跡地で一部のパビリオンが展示再開

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2022年09月14日

2022331日に閉幕した2020年ドバイ国際博覧会(ドバイ万博、会期:2021101日~2022331日)で公開されていたパビリオンが、91日から一部の公開を再開した。アラブ首長国連邦(UAE)にあるドバイ万博会場の跡地が101日から「エキスポ・シティ・ドバイ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」として正式オープンするのに先駆けたかたちだ。

今回公開が再開されたのは、会期中にドバイ万博が掲げた3つのテーマ(注)を冠する「テーマ館」のうち、「モビリティ館」(写真参照)と「サステナビリティ館」の2つだ。展示内容は会期中と同一で、それぞれ50ディルハム(約1,950円、1ディルハム=約39円)の入場料を徴収する。

写真 「モビリティ館」ではイブン・バットゥータらの像が来場者を迎える(ジェトロ撮影)

「モビリティ館」ではイブン・バットゥータらの像が来場者を迎える(ジェトロ撮影)

ドバイ万博公社は、万博会場跡地を会期後も「レガシー」として活用していく方針で、展示場を活用した国際イベントの開催に加え、会場施設の80%を再利用し、オフィス、住宅、商業、レジャーや、スタートアップのサポートプログラム拠点など、多彩な用途を備えた複合施設とする計画を打ち出している(2020年7月15日記事参照)。既に、ドイツのシーメンスやUAEDPワールド(港湾・フリーゾーン運営)が同シティ内にオフィスを移転することを発表している。また、2023年にUAEがホスト国となって開催予定の、国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)の会場にも選定されるなど、具体的な活用方法が少しずつ明らかになっている。

パビリオンの一部再開と並行して、会場内では、施設の再利用に向けた工事作業や、撤去されるパビリオンの解体作業が進んでいる。日本館は既に撤去が完了しており、2022910日時点ではクウェート館や韓国館、ドイツ館などが取り壊されている様子が確認できた。一方で、多くの建物は残されたままとなっている。同シティの正式オープンは10月とされているが、準備が完了したプロジェクトから「ソフトオープン」していくとみられる。

写真 解体が進むクウェート館(ジェトロ撮影)

解体が進むクウェート館(ジェトロ撮影)

(注)モビリティ(Mobility)、オポチュニティ(Opportunity)、サステナビリティ(Sustainability)の3つ。

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦)

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