日産、米国で初めて「日産リーフ」用双方向充電器を自社認可
(米国、日本)
アトランタ発
2022年09月09日
日産は9月7日、米国で初めて電気自動車(EV)「リーフ」に使用できる双方向充電器を自社で認可したと発表した。認可を受けたのは、ビークル・ツー・グリッド(V2G)のサービスプロバイダーであるフェルマータ・エナジー製のFE-15充電器。同社は、双方向EV充電システム機器の規格UL9741に基づいた認証も取得しており、日産の求める要件も満たし、「リーフ」との互換性が確認されているため、この充電器を使用してもリーフのバッテリー保証に影響を与えない。
双方向充電技術により、EVを充電するだけでなく、車載バッテリーから建物に電力を供給したり、グリッドに送り返したりすることができる。フェルマータ・エナジーのデマンドチャージ管理アプリケーションとFE-15充電器を用いることで、建物の使用電力量の常時監視や、リーフから建物に電力を供給する最適なタイミングを探ることが可能になるという。さらに、電力会社のデマンドレスポンスプログラムが導入されている州では、夏場などの電力需要ピーク時に、バッテリーに蓄えられたエネルギーを送電網に送ることもできる。
フェルマータ・エナジーの創業者兼最高経営責任者(CEO)のデビッド・スラツキー氏は「双方向充電は、日産リーフの所有者がバッテリーに蓄えられたエネルギーからさらなる価値の創造を可能にする重要な技術革新だ」と語る。同社の提供するプラットフォームを利用することで、リーフは現在、米国市場で唯一、送電網にエネルギーを供給できる完全なEVとのことで、リーフを駐車してコンセントにつないでおけば、電力会社への支出を削減できるのに加え、車の総所有コスト抑制することも可能と説明している(「ビジネスワイヤ」9月7日)。
(高橋卓也)
(米国、日本)
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