資源循環法・廃棄物管理法の下位法令改正で廃プラスチック・CO2リサイクル推進

(韓国)

ソウル発

2022年09月01日

韓国環境部は831日、「資源循環基本法」施行令の改正案を立法予告した。循環資源として認定を受けるための要件の緩和(注1)と、リサイクルの拡大が主な改正(注2)だ。

従来の資源循環基本法施行令では、「循環資源」としての認定が厳しく、制度の実効性が低い(注3)との指摘が多かったが、今回の改正により、環境負荷が低く、有価性のある物質は循環資源として広く認定する。廃棄物の削減により、排出される二酸化炭素(CO2)の削減にも資するとしている。

また、831日から「廃棄物管理法」の施行規則が改正された。これにより、従来の廃プラスチックの熱分解油化分のリサイクル可能な範囲を拡大し(注4)、石油化学製品の原料として使用することが可能となった。

さらに、回収・利用・貯蔵(CCUS)で回収したCO2の有効活用も促進する。これまでは、鉄鋼スラグや廃コンクリートなどの廃棄物と回収したCO2を結合して製造する炭酸カルシウムや炭酸水素ナトリウムは廃棄物として扱われ、廃棄物管理法で定める用途でリサイクルができなかった。今回の改正により、回収したCO2を混合したセメントやコンクリートなどの建設資材、ゴム、繊維または合成樹脂製品を製造する場合でもリサイクルが可能な類型に追加された。

(注1)従来、循環資源の定義を、「(1)固形廃棄物である、(2)別の廃棄物と混合しない、(3)エネルギー回収、盛土、覆土などに使用するものでない、(4)追加加工なしにそのまま原料、材料として使用する、(5)直接の使用者に提供する、(6)別の法令が定める用途、方法、基準などを満たす、(7)輸入廃棄物の場合、処理計画に従って処理される」と定義していたが、改正案では「焼却、埋め立て、海域への排出に使用されるものでない」に適用範囲を拡大している。循環資源として認定された場合、廃棄物関連規制の適用対象から除外される。

(注2)廃棄物の場合は、廃棄物処理法に基づき、各種許認可の取得または申告の義務が課せられ、廃棄物の収集、運搬、保管、処理に関する基準を順守しなければならない。

(注32020年の韓国全体の廃棄物(約19,000万トン)のうち、循環資源として認定された廃棄物は169万トンにとどまっている。

(注4)従来の用途はボイラーの補助燃料の製造に限定されていた。

(当間正明)

(韓国)

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