米インディアナ州のBP製油所、火災から1週間ぶりに操業再開
(米国)
シカゴ発
2022年09月06日
英国の大手石油会社BPは8月31日、米国インディアナ州ホワイティング製油所の操業を1週間ぶりに再開した。同施設の生産量は1日当たり43万5,000バレルと全米で6位、米中西部で最大規模の製油所で、同州のほか、周辺のミシガン州やイリノイ州、ウィスコンシン州のガソリン、ジェット燃料、ディーゼルの20~25%を供給している。
8月24日に同施設で起こった火災による操業停止で、燃料供給への影響が懸念されていた。ただし、報道によると、早期の操業開始によってガソリン価格にはほぼ影響が出ないとの見通し。ガソリン小売価格は6月半ばに1ガロン(約3.785リットル)当たり5ドルのピークを迎えて以降徐々に下落し、現在では同4ドルを下回る水準となっている。だが、ガソリン価格の高騰は、依然として消費者の懸念材料となっている。
今回の操業停止に対応して、各州はガソリンの供給に支障が出ないよう燃料輸送業者のサービス時間や運転手の最大運転時間を解除したり、米環境保護庁(EPA)に夏季のガソリンの蒸気圧の上限引き上げ(注)を要請したりするなどの措置を取った。州の要請を受けて、EPAは8月27日に製油所操業停止によって影響を受けるインディアナ、イリノイ、ミシガン、ウィスコンシンの4州でガソリン蒸気圧に関する連邦規制を一時解除し、9月15日まで継続すると発表した。この規則の解除によって、万が一、ガソリン供給に支障が出た場合、速やかに備蓄された蒸気圧の高い冬用の混合ガソリンに切り替えができるようになる。
(注)EPAは、ガソリンの揮発によって大気に排出する有害物質を減少させるため、市販のガソリンの蒸気圧の上限を夏季と冬季で定めている。通常、夏季は温度上昇によってガソリンの揮発量が多くなるため、蒸気圧の低いガソリンが販売される。2022年はガソリン価格の高騰が続いたため、安価なエタノール混合ガソリンなど蒸気圧が高く揮発性の高いガソリンの夏季販売が許可された(2022年4月13日記事参照)。
(星野香織)
(米国)
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