7月の小売売上高、3カ月ぶりに前年同月比でプラス
(香港)
香港発
2022年09月05日
香港特別行政区政府統計処は8月31日、7月の小売売上高(速報値)を前年同月比4.1%増の283億700万香港ドル(約5,067億円、1香港ドル=約17.9円)と発表した(添付資料図参照)。3カ月ぶりに対前年同月比でプラスとなった。
同月の小売売上高のうち、オンライン販売額は前年同期比で8.6%増の22億3,100万香港ドルで、全体の7.9%を占めた。
業態と品目別にみると、多くの主要品目が増加しており、特に「宝飾、時計および高級贈答品」は前年同期比28.3%増の40億7,700万香港ドルだった。その主な理由として、香港小売管理協会の謝邱安儀主席は、7月に金の価格が下落したことが消費者の需要を刺激することになったとの見解を示した(「信報」紙2022年9月1日)。
一方、前年同月比で減少幅が最大だったのは「百貨店」で、9.7%減の22億8,800万香港ドルだった(添付資料表参照)。
香港政府報道官は小売売上高が前年同期比で緩やかに増加した点について「労働市場の改善が個人消費を支えた一方で、比較対象となる前年同月の基数が低かったことも部分的に増加に寄与した」と述べた。今後の見通しについては「(8月から配布が開始された)2回目の電子消費券が今後の消費需要を下支えするとみられる。しかし、金融引き締めや、域内の足元での新型コロナウイルス感染拡大状況により、小売りセクターの業績に影響が及ぶ可能性があるだろう。社会全体が政府と協同して感染の抑制に努めることが不可欠」との見方を示した。
(松浦広子)
(香港)
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