新学期のBA.5型感染拡大を警戒、ワクチン接種対象年齢を引き下げ

(モンゴル)

北京発

2022年09月05日

モンゴル保健省の外郭団体である健康開発センターの発表によると、827日の新型コロナウイルスの感染者数(PCR検査で陽性が確認された人の数)は125人だった。モンゴルでは、7月中旬から8月中旬にかけて、新型コロナウイルスのオミクロン変異株BA.5型の感染が拡大した。多い時には1日当たり400人を超えることもあったが、8月下旬からは100人前後で推移している(添付資料図1参照)。

ワクチン接種の対象年齢を引き下げ

また、9月から始まる新学期の準備に関連して、教育科学省のロブサンツェレン・エンフアムガラン大臣は84日、保健省と国立感染症センターの合同追跡チームとともに現在の感染状況を踏まえて、感染対策を見直した。モンゴル政府は81日から、511歳の希望者に対してもワクチン接種を開始した(注)。

合同追跡チームの報告書によると、「BA.5」型の潜伏期間は2.4日で、ほとんどの感染者は家庭内、職場、公共スペースで感染しているという。感染者のうち19.1%が未成年者で、未成年者の感染者のうち、04歳が27.2%、511歳が44.6%、1215歳が19.7%、1617歳が8.4%で、それまでワクチン接種の対象外だった12歳未満の子供の感染が70%以上を占めた。

8月下旬からは新学期の準備で人の移動が多くなり、91日から新学期が始まると、学校での感染リスクが高まる傾向にある。合同追跡チームは、9月上旬に感染のピークを迎えると予測している。

国立感染症センターのTs.ビレグトサイハン所長は826日のインタビューで、「7月、8月の第5波(添付資料図2参照)は収束に向かっているが、9月の新学期が始まると、新型コロナウイルス感染症だけでなく、インフルエンザ、結核などの空気(飛沫)感染の伝染病のリスクも高まる」とコメントし、ソーシャルディスタンスの確保、マスクの着用、手指の消毒、教室の換気など従来の基本的対策およびワクチン接種を呼びかけている。

(注)報道によると、政府は接種対象年齢の引き下げに伴い、15万人分(302,000回分)のファイザー製ワクチンを確保した。1回目と2回目の接種間隔は30日となっている(「Montsame84日)。

(藤井一範)

(モンゴル)

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