アフリカEC最大手と米国ドローン配達スタートアップが協業開始

(ナイジェリア、ガーナ、米国)

ラゴス発

2022年09月13日

アフリカ大陸で電子商取引(EC)サイト最大手のジュミア・テクノロジー(以下、ジュミア外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は9月1日、米国の物流スタートアップのジップライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますとのアフリカにおけるEC向け自動オンデマンド配送に関する協業を発表した。これにより、ジュミアの流通網とジップラインのドローン配達を組み合わせ、従来の配送サービスでは困難だった遠隔地や農村部の消費者に対して、商品を需要に応じて即座に提供することができるようになる。数カ月前にガーナのハブ間で試験運用が成功し、85キロ離れた地点への配送を1時間未満で完了していた。

今回の提携は、ジュミアの流通・物流ネットワークの拡大により、アフリカの農村部での利用が拡大していることを受けたもので、2021年は同サイトでの注文のうち27%が当該地域に集中していた。また、ジップラインのドローンによる配送は自動車と比較して、温室効果ガスの排出を98%削減することができる。

ジュミアはアフリカ11カ国に展開しており、30以上の倉庫と3,000以上の集荷・出荷ステーションを有する。同社は、電気自動車(EV)企業のソーラータクシー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ガーナ)、イービー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ケニア)とも提携し、環境に配慮した配送手段の拡大に努めている。一方、豊田通商が戦略業務提携を締結しているジップラインは、ガーナ、ルワンダ、米国において、血液、ワクチン、医療機器などをドローンにて配送している。ナイジェリアにおいては2022年6月3日、北部カドゥナ州の医療施設へドローンを使った医療用品の商業配送を開始した。今後、東部クロスリバー州やバイエルサ州へも展開する予定だ。

(馬場安里紗)

(ナイジェリア、ガーナ、米国)

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