8月の自動車統計は生産、販売、輸出とも前年同月比で大幅増
(メキシコ)
米州課
2022年09月16日
メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)は9月7日、8月の自動車統計(大型バスとトラックを除く)を発表した(添付資料表参照)。生産と国内販売、輸出の全て前年同月比で大幅に増加し、好調だった。
8月の生産台数は31万6,815台で、2020年10月に34万7,906台を記録して以降、単月では最も生産台数が多かった。前年同月で比較すると31.4%増加し、2022年1月以降の増加幅では最も大きく、5月以降4カ月連続でプラス値を記録した。ただ、新型コロナ禍以前の2019年8月と比較すると、8.1%減少している。メキシコ自動車工業会(AMIA)のファウスト・クエバス会長は「8月の生産台数は前年同月比30%以上の増加を記録したが、2024年までに2019年の水準に戻すため、成長を止めないようにしてほしい」と述べた(「エル・エコノミスタ」紙9月8日)。
生産台数をメーカー・ブランド別にみると、ゼネラルモーターズ(GM)が7万874台で前年同月比2.2倍、クライスラー(Chrysler)が4万3,626台で11.7%増、フォルクスワーゲン(VW)が3万2,601台で37.5%増、起亜(KIA)が2万4,400台で20.2%増加した。8月は前年同月比で増産した企業が目立った。日本メーカーでは、トヨタが2万4,214台で41.3%増、マツダが1万4,400台で95.4%増のと大幅増産となった。一方で、日産自動車が3万5,203台で25.1%減、ホンダが1万1,776台で24.7%減と、大幅に減産した企業もあり、明暗が分かれた格好となった。
8月の国内販売台数は9万1,124台で、前年同月比16.5%増と大幅な伸びを記録した。国内の自動車産業は、半導体不足による自動車在庫不足や、インフレ率の高止まりなどが消費者の購買意欲に影響を与えているとみられ、販売台数は伸び悩んでいた。しかし、8月の国内販売台数を前年同月で比較すると、2021年7月以来の伸び幅となり、10%超えを達成した。国内販売の好調を受け、メキシコ自動車ディーラー協会(AMDA)は2022年の予想販売台数を103万8,000台から105万台上方修正した。(「エル・エコノミスタ」紙9月8日)。
生産台数の大幅な増加も相まって、輸出台数は24万8,704台と、前年同月比16.9%増加し、2021年6月以降最も増加幅が大きい月となった。
(小西健友)
(メキシコ)
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