米中ビジネス評議会幹部らが王毅外相と面会、外相は米中関係に関する「5つの確かなこと」を伝達

(米国、中国)

米州課

2022年09月22日

中国で事業を行う米国企業で構成する業界団体の米中ビジネス評議会(USCBC)は9月19日、国連総会に出席するためニューヨークを訪問中の王毅国務委員兼外交部長(外相)と面会したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同会議には、USCBCのほか、米中関係全国委員会(NCUSCR)および米国商工会議所の幹部も参加した。

USCBC幹部は会議の中で、今秋に予定されているジョー・バイデン大統領と習近平国家主席の首脳会談が2国間関係をより良い軌道に乗せる一助になることを期待すると述べた。クレイグ・アレン会長も「米中の約50年にわたる商業関係は、両国に大きな利益をもたらしてきた。これは2国間の不一致に対処し、気候変動や公衆衛生、食料安全保障などの世界共通の利益について協力する上での触媒になり得ると伝えた」旨を明らかにした。

USCBCが8月29日に発表した会員企業対象のアンケート調査の中で、向こう5年間の中国ビジネスの見通しに関し、「悲観的」または「いくらか悲観的」と回答した企業が21%(前年9%)に上ったが(2022年8月31日記事参照)、これらの調査結果も王外相に伝えられたとしている。

中国の汪文斌副報道局長は、9月20日の記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで同会議に言及し、王外相が「5つの確かなこと」を伝えたと明らかにした。要旨は、次のとおり。

  1. 中国の発展の見通しは確かであり、来る中国共産党第20回全国代表大会において、将来の発展に向けた青写真と目標を打ち出す。
  2. 改革開放をさらに進めるという中国の決意は確かであり、高水準の新たな開放制度を促進し、開放型の世界経済を構築していく。
  3. 中国の対米政策は確かであり、習国家主席は相互尊重・平和共存・互いの利益になる協力関係という3原則を打ち出しており、最も重要なのは米国が合理的かつ現実的な対中政策を早急に採用すること。
  4. 2国間の貿易・経済協力の緊密化に対する中国のコミットメントは確かであり、中国は米国による中国内での事業活動を歓迎し、健全な法的枠組みの下で市場志向かつ世界水準のビジネス環境を提供し続ける。
  5. 中国が米国とともに多国間協議に参加する用意があることは確かであり、両国が協力すれば世界にとって良い、数多くの大きなことを成し遂げられる。

USCBCのアレン会長は、近々、中国を訪れ、政府高官や駐在している同団体の幹部と面会する予定だ。

(片岡一生)

(米国、中国)

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