新型コロナウイルス、監視下の伝染病に格下げ方針
(タイ)
バンコク発
2022年09月15日
タイのアヌティン・チャーンウィーラクーン副首相兼保健相は9月7日の発表で、以前から予定していた10月1日から新型コロナウイルス感染症を「危険伝染病」から「監視下の伝染病」に格下げする計画について、予定どおり実行する意向を表明した。アヌティン副首相は格下げに向けて「公衆衛生システムの準備は整っており、公共サービスには何の影響もない」と強調した。
また、アヌティン副首相は「608グループ」(60歳以上の高齢者と、7つの基礎疾患を持つ者、妊婦を総称したグループ)が死亡者の大部分を占めることから、同グループについて、ワクチンのブースター接種を受ける必要性を強調した。また、リスクの高い地域を訪れたり、リスクの高い活動に参加したりする場合は、フェイスマスクの着用が推奨される。
なお、2023年の新型コロナワクチン管理計画について、アヌティン副首相は「免疫促進小委員会が国民に対するブースター接種の必要性や特にブースター接種が必要なリスクグループの特定などを検討中」と述べた。
乳幼児向けワクチン調達へ
保健省疾病管理局のオーパート・カーンカウィンポン局長は9月8日、同局がファイザー(タイ)と、生後6カ月から5歳未満の乳幼児を対象とした新型コロナワクチン300万回分を調達する契約を締結したと報告した。乳幼児の接種回数は3回の予定。最初の100万回分が10月ごろにタイに届く見込みで、到着次第、全県に配布する予定だ。
ファイザーの小児用ワクチンは、8月23日にタイ食品医薬品局(FDA)が使用を承認したばかり。オーパート局長は「乳幼児は自分自身で身を守ることができないため、新型コロナウイルスに感染し、拡散する危険性が高い。ワクチン接種により、乳幼児が感染する確率を下げ、それにより家族の高齢者に感染を広げる確率も下げることができる」とした。
(藤田豊、ナオルンロート・ジラッパパー)
(タイ)
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