関税庁、半導体製造装置など大型装置の分割輸入の運用を緩和

(韓国)

ソウル発

2022年09月20日

韓国関税庁は9月16日、サイズや重量などの理由により大型の製造装置や機器などを分割して輸入した場合、一定の条件下で完成品として輸入申告が可能となる「受理前搬出制度」の運用緩和を公表した。

受理前搬出制度は、分割して輸入する場合、部分品ごとに関税率を適用せず、全ての部分品の輸入が完了した時点で、完成品として輸入申告し、完成品としての関税を適用する制度(注)。完成品の関税率が無税で、部分品の関税率が有税の場合などで、関税上の恩典を享受できる。

これまでは、全ての部分品の輸入が1カ国からの輸入である場合に限り、受理前搬出制度が認められていたが、今回の運用緩和で、2カ国以上から部分品が輸入された場合でも、受理前搬出制度が利用可能となる。これにより、海外の輸出事業者が装置の一部を自国で製造し、他の一部を自国以外で製造し、韓国に直接輸出するケースでも、制度の恩典が享受できるようになる。

また、制度を利用する場合の提出書類も簡素化する。これまでは、分割して輸入する部分品が韓国国内で組み立てられ、完成品としての性能を備えることを証明する書類(輸出国の性能試験証明書、製造証明書など)の提出が必要だったが、証明が困難なケースが発生していた。今後は、部分品が完成品になることが確認できる契約内容などの提出があれば、制度の利用が可能となり、利便性の向上につながるとしている。

(注)主に半導体製造装置、医療機器、物流設備などの大型設備の輸入で同制度が利用されている。2021年の活用実績は206件(輸入金額は27億ドル)。

(当間正明)

(韓国)

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