議会選で与党MPLA、前回より議席減らすも勝利

(アンゴラ)

ヨハネスブルク発

2022年09月01日

アンゴラで824日、議会選挙が実施された。与党のアンゴラ解放人民運動(MPLA)が最多得票数を獲得し、党首のジョアン・ロウレンソ大統領が再任(2期目)の見通しとなった。選挙管理委員会の29日時点の集計によると、投票率は44.82%。31日時点で97%が開票され、MPLAが有効得票の51.17%、最大野党のアンゴラ全面独立民族同盟(UNITA)が43.95%を獲得した。議会定数は220で、MPLAが全体の56%に当たる124議席、UNITA41%の90議席を得た。また、3つの少数政党がそれぞれ2議席を獲得した。

事前の予想どおりにMPLAが勝利(2022年8月18日記事参照)したものの、2017年の選挙から26議席を失い、法案可決に必要な3分の2を割った。野党UNITA39議席伸ばすなど過去最多の議席を獲得した。同党は高い失業率に不満を持つ若者の支持を一定数獲得したと報じられている。なお、UNITA党首のアダルベルト・ダ・コスタ・ジュニア氏は、選挙管理委員会の集計が正当でないと主張しており、今後、同氏が選挙管理委員会や憲法裁判所に訴える可能性がある。

ジェトロはアンゴラ政治に詳しい南ア国際問題研究所(SAIIA)のグスタボ・バロス・デ・カルバリョ上席研究員にインタビューを実施した(829日)。同氏は「ついにアンゴラ政治で、UNITAと野党全般が台頭する瞬間が訪れた」と述べた。同氏によると、今後MPLAが一方的な意思決定ができなくなるため政治が分極化するという。UNITAをはじめとする野党勢力が増すにつれ、民主主義国家として国会の果たす役割がますます強くなるだろうとした。また、UNITAが選挙結果に異議を唱えていることについては「UNITAがもし司法手段を取った場合は、解決まで時間がかかる可能性がある。現時点でこの争いが暴力化する兆候はないが、注意を払う必要がある」とした。

(堀内千浪)

(アンゴラ)

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