地場ガソリンスタンド、再ブランド化で競争力強化

(カザフスタン)

タシケント発

2022年09月02日

カザフスタンのガソリンスタンド(GS)業界は、外資系の進出によって競争が活発になり、高品質のガソリンを提供することはもちろん、給油以外のサービスや設備充実が求められている。その中で、地場系GSチェーン大手のカザフオイルも積極的に再ブランド化を進めている。

カザフオイルはカザフスタンの石油公社カズムナイガスの小売り子会社が民営化されて誕生し、2019年に地場企業のペトロ・リテールが買収した(「フォーブス」カザフスタン版201941日)。2020年からブランド名をカズムナイガスの頭文字をとった「KMG」から「Qazaq Oil」に変更。KMGから引き継いだGS網を近代化し、サービスを充実させることで再ブランド化を図っている。8月現在、全国381カ所のGSのうち200カ所を改装・新設し、2023年末までには全てのGSの近代化を完了させる予定だ(カザフオイル・ウェブサイト824日)。

カザフオイルは全国規模のサービス網に加え、顧客を満足させるサービスの充実、GS施設の近代的デザイン、品質管理が行き届いた燃料の提供、価格競争力(注)などをアピールポイントにしている。GS店舗は青とオレンジの外観とロゴが目を引く。ガラス張りの売店とカフェはインテリアにも工夫がみられる。その場で調理されるホットドッグをはじめ、サンドイッチやクロワッサン、ドーナツなども販売しており、トイレも清潔で、無料のWi-Fiも完備している。同社は2021年からフランチャイズ制を導入して店舗網を拡大している。

写真 カザフオイルのガソリンスタンド(ジェトロ撮影)

カザフオイルのガソリンスタンド(ジェトロ撮影)

写真 ガソリンスタンド内の様子(ジェトロ撮影)

ガソリンスタンド内の様子(ジェトロ撮影)

写真 ミニマーケットのような店内(ジェトロ撮影)

ミニマーケットのような店内(ジェトロ撮影)

写真 軽食が充実(ジェトロ撮影)

軽食が充実(ジェトロ撮影)

また、カザフオイルは道路公団カズアフトジョルと高速道路沿線のインフラ開発に関する協力契約を結び(カザフオイル・ウェブサイト45日)、トラックや長距離バスなどが駐車できる広い駐車場と、カフェやシャワー施設などを備えたサービスエリアを建設し、欧州と同質のインフラを整備する計画だ。既に西欧と中国を結ぶカザフスタン国内の幹線道路には6カ所のサービスエリアの設置が完了している(道路公団カズアフトジョル・ウェブサイト45日)。

(注)大都市では他社店舗に比べてレギュラーガソリンで1リットル当たり2テンゲ(約0.6円、1テンゲ=約0.3円)程度安いことがある。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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