ドイツの国際家電見本市「IFA2022」、3年ぶりにリアル開催
(ドイツ、日本、韓国、中国)
ベルリン発
2022年09月16日
ドイツの国際コンシューマー・エレクトロニクス展(IFA)が9月2~6日、ベルリンで3年ぶりにリアル開催された。出展企業数は46カ国から1,100社以上、入場者数16万1,000人超で、いずれも前回2019年開催時(出展企業数1,930社、入場者数23万8,700人)を下回ったものの、トレードビジターが全参加者に占める割合は新型コロナウイルス禍の前を上回り、展示面積は2022年最大のテックイベントの1つに数えられる規模だった。
今回の技術のトレンドは、コネクティビティー、サステナビリティー、スマートリビングだったが、中でもパナソニック(出展は現地子会社)は新製品の紹介にとどまらず、グループの環境行動計画「GREEN IMPACT PLAN」に沿って実施している「カーボンニュートラル」「サーキュラーエコノミー」を柱にした環境問題への取り組みを紹介するコーナーを5,000平方メートルある展示ホールの中央に設置した。同時に、前回の出展ブースからはコンセプトやデザインを変更したことで、二酸化炭素排出量(カーボンフットプリントベース)を前回から71%削減することも実現した。
日本から唯一、直接出展した神奈川県の中小企業「クリエイティブテクノロジー」は、静電吸着力を応用したモバイル型空気清浄機や、モバイル靴除菌器をはじめとしたさまざまな製品を紹介した。現在開発中の世界初のドローン型エアクリーナーはIFA NEXT(注)で実演され入場者の関心を誘った。
全体として、サムスン電子やLGエレクトロニクスといった大企業から、IFA NEXTに集ったスタートアップ企業に至るまで、韓国企業の存在が際立った。160社に上る韓国企業が出展し、前回と比較してもおよそ倍となり(「コリア・ヘラルド」紙9月1日)。出展を控える企業が多かった日本とは対照的だった。
中国企業については、B2Bのビジネスの場として欧州最大のソーシングマーケットのIFA Global Marketsに出展した関係者から「新型コロナウイルス感染拡大の影響により本国からの出張者はほとんどおらず、ブース対応は主に欧州在住者が行っている」という声は聞かれたものの、小型のブースを中心に173社の出展が確認できた。
次回のIFAは2023年9月1~5日に開催予定。
(注)IFA NEXTは、IFAの中に2017年に新たに創設された次世代イノベーションを提案する総合的な技術展示会。世界各国のスタートアップや大学、研究開発機関、大手テック企業が出展する。
(和爾俊樹、矢島佳子)
(ドイツ、日本、韓国、中国)
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